【ベトナム工場見学】デザイン＆クリエイティブ アソシエイツ（ＤＣＡ） / Design & Creative Associates
第18回「特注家具」ができるまで

ハノイとホーチミン市にオフィスを構え、店舗やオフィスの設計・施工、特注家具の製造を一貫して手がける「デザイン＆クリエイティブアソシエイツ（ＤＣＡ）」。国際的なデザイン賞の受賞歴もあり、２０１９年の設計・施工案件は１９０件に及ぶ。現在の社員は日本人が６人、ベトナム人が１８０人、カンボジア人が30人。これまで発注元は８割が日系企業、２割がベトナム企業だったが、近年はベトナム裕福層からの受注が増加。創業当初に比べ、求められる施工品質が年々高まっていることから、職人の中途採用を行ったり、経験者にも基礎から学ばせたりするなど、更なる技術の向上に注力している。
　
ホーチミン市トゥードゥック（Ｔｈｕ Ｄｕｃ）区の自社工場では、運営から加工機械の選定や購入、生産計画の管理まで、ヴー工場長を筆頭にベトナム人スタッフが務める。今後は事業展開をさらに推進するべく、日本で子会社設立を計画中だ。

「特注家具」ができるまで

① 受注　　

発注者と設計材料選定、工事について打ち合わせを行う。受注や建材の発注は日本人営業の高橋里佳さんが担当。

② 設計

設計は主に一級建築士の資格を持つ、内装デザイナー川口淳志さんが手がける。3Dの完成予想図をもとに見積もりを作成。

2020年、シンガポールのインテリアデザイン賞「IDEA」で2部門を受賞しました

③ 建材の発注

同社はベトナムで建材の輸出から事業を開始したため、ノウハウは多岐にわたる。木材や石材など、扱う素材もさまざま。

POINT!!–試作品を作る-

前例のないデザインや大量に生産する家具は、試作品を用意する。
「椅子は試作品で座り心地を確認し、最終的なデザインを決定します」

④加工

建材のカットや合板に木目を貼る作業は機械を使って効率化を図るが、繊細なデザインが施された加工は手作業で行われることが多い。
テーブルの脚となる部分、通称「猫脚」。美しいカーブに職人技が光ります。

⑤塗装

組み立てた家具はやすりをかけてから下地塗装、研磨、塗装という順序で仕上げる。

⑥梱包＆出荷

完成した家具は梱包後、出荷。
海外へは船便で輸送する。

POINT!!–中間チェックも入念に-

高橋さんも定期的に工場に足を運び、中間チェックを行う。
「毎回異なる家具を作るので、途中で問題が生じることもあります。工場のスタッフやデザイナーと意見を出し合いながら都度解決しています」

完成！

テーブルとカウンターは眼鏡店「パリミキカンボジア」に納品されました。