2021年7月上旬からベトナム全域で猛威を振るう新型コロナウィルス第4波。首相指示16号に沿った社会隔離措置により、ハノイ、ダナン、ホーチミン市のベトナム3大都市では2021年8月16日(月)現在、不要不急の外出が制限されている。
緊急事態への対応や暮らしにおける対策など、今知るべきコロナ最新情報を紹介する。

JCCH水嶋会頭が語る 日系企業の現状

ホーチミン市日本商工会議所会頭
水嶋恒三 さん(双日ベトナム)

社会的隔離に伴う「3オンサイト」が急増

現在、ベトナム南部を中心とした日系企業の工場操業は非常に困難な状況にあります。従業員に感染者が発見されると、省市、地域、工業団地、工場ごとに封鎖され、場合によっては他省との行き来に規制がかかります。

そのような緊急事態でも、工場の稼働を止めないように、生産・飲食・宿泊を工場内で実施(3オンサイト)し、サプライチェーンの維持や製品の出荷に懸命な努力をされている企業が多数存在します。

2021年7月20日(火)、JCCH労務委員会と法務委員会は、3オンサイトを従業員とともに遂行し、生産活動を継続している「東和インダストリアルベトナム」の渡邉豊社長に繋ぎ、「緊急講習会」を開催しました。

渡邉社長は6月25日(金)に開催した「ダナン、ハイズオン省での第3波を受けた事務所や工業団地のロックダウン事例に学ぶ」という講演会に参加したことをきっかけに、工場宿泊での操業の準備を進めていたそうです。講習会では、緊急事態に備えて準備したものや実際の労働状況や監査についてなど、情報共有いただきました。

JCCHでは今後も、当局の規定などを注視しながらタイムリーな情報提供の場を企画する予定です。

ワクチン接種の要請も進行中

在住者の方々には、日々更新されている情報を正確に把握していただきたく思います。そのためには、日本国大使館や総領事館のウェブサイト、JCCHやJCCIが会員企業向けに発信しているニュースは事実に基づいているので、ぜひ頻繁に確認してください。

現状の当局による社会的隔離措置は厳しいため、感染者数は今後減ると思われますが、規制を緩めた際にまた感染が拡大することも想定できます。そんなイタチごっこの有効打は、やはりワクチン接種です。ベトナムでもワクチン接種率をあげることが今後の課題となるでしょう。

現時点では、ワクチンの接種を希望する方がワクチンを直ちに受けられる状況にはありませんが、日本でワクチンを接種するため、一時帰国する方も急増しています。ベトナムへの再入国がよりスムーズになるよう、今後も働きかけるつもりです。(2021年8月18日、ホーチミン市では日本人を対象としたワクチン接種説明会を実施)

事業はもちろん重要ですが、在住者のご本人やご家族、社員の方々の身を守ることを最優先にして活動していただきたいです。