ベトナムにおける ゴルフの聖地を探る①
聖地と呼ばれる
「ダラットパレスゴルフクラブ」
「ダラットパレスゴルフクラブ」はベトナムにおけるゴルフ場の発祥の地。日本で言えば「神戸ゴルフ倶楽部」のような存在です。現在ベトナム国内には約50ヶ所のゴルフ場がありますが、なぜここに最初にゴルフ場ができたのか、そのストーリーを3回に分けて紹介したいと思います。
クラシックコース
黄金時代に誕生
「ダラットパレスゴルフクラブ」は1922年にオープン。その次にできたのは、1992年開業の「ヴンタオパラダイスゴルフクラブ」。約70年間の空白があり、現在ベトナムにあるゴルフコースはここ30年以内にできたコースということになります。ゴルフコースコメンテーター&コースコンサルティングのMASA氏は「ダラットパレスゴルフクラブ」について、以下のように説明してくれました。
「世界の名コースといわれるゴルフ場の多くは、1911年から1932年に作られたと言われています。それは、クラシックコースの黄金時代。『ダラットパレスゴルフクラブ』(当時はVille de Dalatという名前)はこの時代に作られたコースです。1939年にNYの『GOLF Review』誌が初の世界のゴルフコーストップ100を発表しました。その際に『ダラットパレスゴルフクラブ』は94位にランクされました」
このアジアの小さなゴルフ場が世界的な評価を得たというのは、相当な驚きです。その後、第2次世界大戦や第1次インドシナ戦争、ベトナム戦争などを経て、「ダラットパレスゴルフ」は見事に復活を遂げました。このコースは最後のグエン王朝皇帝である、バオダイのために作られたゴルフ場と語られることが多いですが、証拠となるものはないようです。バオダイがラウンドした可能性もありますが、歴史的な背景を考えると、フランス人のためのゴルフ場であったと考える方が自然に感じます。第2次世界大戦終了後、フランス人がベトナムに戻らなかったとしたら、このゴルフ場は皮肉にもなくなっていたかも知れない。そんな推測もできます。
香西 保宏 Kozai Yasuhiro
ダナンを拠点に「ドラゴンゴルフ」を運営。ゴルフ場の予約や用品のレンタル、販売を行う。YouTubeチャンネル「VIETNAM DRAGON GOLF」も発信中!
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