EY大手会計事務所のベトナム事情 No.036

申告時の
適切な入力が必要

EYベトナムの小野瀬です。第36回の対談は、日系企業担当の西川貴陽ディレクターです。

小野瀬 税関申告において2014年よりVNACCSが導入され、電子申告が行われていますが、その中で税関申告タイプの正しい入力が重要であると聞きました。税関申告タイプとはそもそもどういったものでしょう。

西川 税関申告タイプとは、物品の輸出入の目的に応じて記入すべきコードのことです。例えば、輸出用製品の製造のため原材料を輸入した場合にはE31を、国内販売用製品の製造のため原材料を輸入した場合にはA12を使用するなど、コードが決まっています。

国内販売した場合には
目的変更が必要

小野瀬 輸入・輸出目的ごとにコードが異なるのですね。なぜ税関申告タイプの正確な入力が必要なのでしょう。

西川 税関申告タイプは払うべき関税額に直結してきます。例えば、Non-EPEでも輸出用製品の製造のために原材料を輸入する場合には、輸入税の免除対象となりますが、国内販売用製品の製造に使った場合には、免税措置の対象外となり、輸入税の納税義務が生じます。この場合、輸入申告タイプをE31としたままにしておくと、輸入税納付漏れとして追徴のリスクが発生します。

小野瀬 追徴につながるのであれば適切な入力が必要ですね。具体的にどのように対応すればよいでしょうか。

西川 在ベトナム日系企業で製品の大半を国外輸出し、一部のみを国内販売している場合には原材料をE31として輸入しているケースが多いかと思いますが、国内向け製品の製造に使用した原材料については、使用目的変更を行う必要があります。すなわちE31として輸入した原材料につき、A42という振替用のコードに振り替えた上で、関税を払い、輸入税の納付漏れをなくすことが大切になってきます。

小野瀬 国内販売があった場合の目的変更は見逃しがちですね。例えば1ヶ月に1度など、定期的に目的変更漏れがないかどうか確認される統制を構築されることをおすすめします。

小野瀬 貴久Onose Takahisa
日本国公認会計士。大手監査法人にて監査や株式公開業務に従事後、EYジャカルタ勤務を経て2011年より現職。
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