ベトナムのオフな面々 Vol. 026

文 有田紳介

戦略、交渉力、運が試される
名作ボードゲームに夢中!

「ベトナムで友人に教えてもらうまで、このゲームを知りませんでした。こんなに夢中になるとは、自分でも驚きです」

『カタンの開拓者たち』はドイツ生まれのボードゲーム。1995年に発売され、現在は携帯アプリ版があるほど長年の人気を誇る

2歳の息子と一緒に。「将来大きくなって、ボードゲームに興味を示したら一緒に遊んでみたいですね」

テーブルの上に広がる無人島、カタン(Catan)。島内には丘陵や森林、山地と豊かな自然が広がり、畑、牧草地に加えて砂漠も存在する。人々はこの島の土、木、麦、羊、鉄といった資源を利用し、家や街を作って開拓を進めていく。

「これは『カタンの開拓者たち』というボードゲームです。サイコロを振って、出た目の数に合わせて資源を獲得し、家や街道、街を建設していきます。それがポイントとなって、最終的に10点に達したら勝利です」

一見、複雑そうな内容だが、数回プレーすれば大体のルールを把握でき、「初心者が参戦してもすぐに馴染めますよ」。マップはゲームごとに変更でき、チャンスカードがあったり、資源を盗む盗賊や、その盗賊を移動させる騎士が存在するなど、さまざまな戦術を編み出せるのもこのゲームのおもしろさだ。

「1年前、友人に誘われて初めてプレーしました。その半年後に開催された仲間内での大会では優勝できて。初心者でも上級者に勝てる可能性があるところもいいですね」

この日は片山さん含め、3人が友人宅に集まった。サイコロとボードを見つめ、それぞれが島の開拓を進めていく。時には他プレーヤーと交渉を行い、資源を交換、またある時は港にて資源を交換する。時折カードの運に助けられ、白熱した戦いが広げられた。

「本当に頭を使うゲームです。実力勝負で、戦略や記憶力が大切。運要素もあり気が抜けません」

これまでの勝率は半々。巧みにコマを配置し、見事勝利を収めた。

「以前はボードを3つ用意して10人ほど集まっていましたが、コロナ禍の影響もあり、最近は3~4人と少人数で遊んでいます。寂しいですが、ボードゲーム自体が3~4人用なのと、毎回勝負の行く末が分からないので、十分楽しめています」

ホーチミン市にもカタンを楽しんでいるチームがあると耳にした。

「出会わないだけで、このゲームに夢中になっている人は多いと聞きます。コロナ禍が落ち着いたらぜひホーチミン市チームとの大会に参加したいですね。私と対戦してみたい方は、遠慮なく声をかけてください。そしていつか、カタン王に俺はなる!(笑)」