ベトナムのオフな面々 Vol. 028

ハノイの“スマッシュ!”夫婦
長く続けたい共通の趣味

「テニスは老若男女問わず楽しめるスポーツ。ストレス発散にもなりますし、プレー人口が多いので新しい人間関係を構築するのにもぴったりです」

「妻とこうやって共通の趣味を持つことができました。私の両親のように、これからも2人で長く続けていきたいですね」

「現在はコロナ禍で中止されていますが、東南アジアの日本人大会が再び開催されるようになったら、それに出場するのが目標です」

秋に入り少しずつ涼しさを感じられるようになった11月の平日の夜。ハノイ市内にあるナイター対応のテニスコートで、ベトナム人コーチのレッスンを受ける日本人女性の姿があった。西川秀平さんはその横で、テニスの練習に励む女性を見守っている。

「今練習しているのは、私の妻です。私と違って数ヶ月前に始めたばかりの初心者ですから、プロの方にレッスンを依頼しました。休憩の合間はコーチに私とのラリーをお願いしています」
 
小学4年生からテニスを続けているため自身がコーチを務めることもできるが、妻のフォームに変な癖がつかないよう、敢えてプロに指導してもらっている。

「両親もテニスに親しんでいて、今でも時々2人でプレーしているようです。妻もスポーツが好きなので、私たちもそんな夫婦になりたいねと、一緒に始めることにしました」
 
実は、社会人になってからハノイに来るまで、テニスからは離れていた。

「ラケットを握ることもありませんでしたね。再開のきっかけは、ハノイ赴任が決まった時。自分にはこれといった趣味はないけれど、ハノイで人脈を広げたかった。それならテニスサークルに参加してみようと思い、見つけたのが『ハノイ日本人テニスクラブ』でした」
 
ハノイ日本人テニスクラブは、域内最大級の日本人サークルだ。年代は、中学生から70代まで、レベルも初心者から上級者までが幅広く在籍し、会員数は50人以上を誇る。

「入会して1年ほど経ちました。学生時代の部活とは違って、試合で勝つプレーを意識しなくていいので、テニスを純粋に楽しめています。皆さんは本当に元気で明るい方が多くて。ハノイで出会う人とは仕事の話になりがちですが、このサークルではプライベートの話や相談ができるので居心地がとても良いです」
 
夫婦で参加するようになり、こうやって時間を見つけては一緒にレッスンを受け、一緒に上達を目指すまでになった。

「テニスは初心者、上級者関係なく、誰でもトライできるスポーツです。やってみたいけれど、その一歩が踏み出せないという人は、私でよければ気軽に誘ってくれたらうれしいです」