SSI証券のベト株探訪記 No.046

企業利益は
前年比19.8%増

株式市場は、10月に7.6%と力強く値上がりした。株価は、個人投資家からの強い流入資金と第3四半期の好調な業績に支えられた。
 
社会的隔離中にもかかわらず、ホーチミン市証券取引所(HOSE)での企業収益は前年比19.8%増を記録。VN指数(ベトナム株価指数)は1400ポイントの心理的上値抵抗線を突破し、新高値1444.3ポイントで月を締めくくった。
 
キャッシュフローは引き続き中小型株を優先していたため、中型株(VNミッドキャップ指数)と小型株(VNミッドキャップ指数)がそれぞれ9.5%と16.5%上昇した。
 
一方、VN30指数(ホーチミン市証券取引所の主要30銘柄)は5.4%の値上がりに留まった。公益事業(ガス)、産業部門、不動産セクターが市場を押し上げた。年初来、VN指数は30.8%増加し、VN30指数、中型株および小型株はそれぞれ43.1%、44.7%と78.2%増加した。
 
ペトロベトナムガス(GAS)が主導する公益事業は、天然ガスと石油の価格が世界的に新高値に達し、10月に22.3%急騰。産業部門は、不動産・建設のダットフオン(DPG)、ヴィグラセラ(VGC)、不動産のソナデジチャウドゥック(SZC)、DIC不動産(DIG)の大幅な回復により、2番目に優れた業績を上げた。対照的に、ヘルスケア、金融および生活必需品は最もパフォーマンスが低かった。

証券取引所での
売買代金も上昇

3つの証券取引所における売買代金は10月に3ヶ月連続で10億USDを上回り、前月比2%増、前年比198%増。年初10ヶ月の1日平均売買代金は9億6400万USD(前年比342%増)だった。
 
10月には、外国人投資家が3億6700万USDを売り越したが、最後の3日間で約7400万USDを買い越した。
 
最も買い越されたのはTPバンク(TPB)、サオタ食品(FMC)、GASなど。一方、最も売れたのは、鉄鋼大手ホアファットグループ(HPG)、ナムロン投資(NLG)、農産・食品加工のパングループ(PAN)、SSI証券(SSI)など。
 
年初来、外国人投資家は21億USD近く売り越した。年初10ヶ月の売り越し額は5億6500万USD。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
ウェブサイト:www.ssi.com.vn