【CBREベトナム】２０１９年ホーチミン市におけるオフィス市場の展望

新規オフィスビル９棟が完成予定

弊社ＣＢＲＥでは立地、面積、建築構造等により、独自の基準でオフィスをＡ～Ｃグレードの３段階で評価しています。

18年に、ホーチミン市ではＢグレードオフィスビル１棟が新規供給され、総賃貸面積は３６００㎡でした。19年は「フレンドシップタワー」「リム３タワー」「クレセントハブ」「ワンハブサイゴン」「エトウン５」「オパールオフィスタワー」「タコビル」「ＤＨＡタワー」「ベトテルコンプレックスタワーフェーズ２」の９棟の建物から１５万１８５５㎡もの総賃貸面積が追加され、より市場が活気づく予定です。

18年の供給不足により、ＡグレードとＢグレードの賃料はいずれも上昇。Ａグレードオフィスの賃料は高水準であるため、空室率は前年同期比で１・４ポイント増の５・１％となっています。Ａグレードの空きスペースの増加は、一部のテナントが、ＢまたはＣグレードの建物、もしくはより柔軟なワークスペースなど、手頃な賃料の物件に移転したことに所以していると言えます。

共有型のオープンなオフィスが増加中

「コワーキングスペース」などの新しいワークスペースの出現は、伝統的なオフィスの入居者構造を変化させました。18年に弊社が記録した主要な取引を業界別でみると、フレキシブルなワークスペースは総テナントの22％を占めました。近年のワークスペースの急成長は、中小企業やスタートアップ企業だけでなく、さらには大企業の職場問題の解決に大きく貢献しています。

18年までのワークスペースの総供給面積は３万７０００㎡を超え、17年と比較して１０９％増加しました。この供給の増加は、「トゥーン（Ｔｏｏｎｇ）」や「ドリームプレックス（Ｄｒｅａｍｐｌｅｘ）」などの既存の主要各社の拡大と、18年12月に米国資本の「ウィーワーク（ＷｅＷｏｒｋ）」の市場参入が影響しています。

ハン・ダン　Hang Dang

CBRE Vietnamの現CEO。不動産の売買・仲介、マーケティング、調査・鑑定など、すべての事業運営を担当している。
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