アメリカからベトナムへ 一人三役の映画が大成功


撮影/大池直人

―― 女優になるきっかけは?

キャシー アメリカのサンノゼで生まれて、子どもの頃からずっと女優になりたかったのです。大学では経済学と映画学の2つを同時に専攻し、演技コースも受講しました。21歳のとき、海外で成功したベトナム人にインタービューするトーク番組の司会者を務めて、ここで、越僑の監督ヴィクター・ヴー(Victor Vu)さんに出会えました。ヴーさんはホラー映画のオーディションに誘ってくれて、おかげさまで合格し、女優としてデビューしました。

―― どうしてベトナムに戻って女優活動を?

キャシー その映画の後、何本かの自主映画に出演しましたが、なかなか自分は女優だと言う勇気が持てませんでした。女優の夢をあきらめようとするときもあって、映画のPR、マーケティングをやってみました。しかし、いろいろな経験をした後、「やはり私がやりたいのは女優だ」と気づいたのです。

2008年にまたヴーさんの映画『故郷を離れるラブストーリー』(Chuyen Tinh Xa Xu)に出演し、この役で、ベトナム映画協会のゴールデンカイトアワード助演女優賞を受賞しました。ベトナムで撮影ロケをしたのですが、今まで学んだ演技力が発揮できると思って、しばらくこの国に残ろうと思いました。その後は、ベトナム映画の『明日にオマカセ』(De Mai Tinh)など、次々と主役をいただくことになりました。

―― プロデューサー、脚本家としても活躍していますね。

キャシー それまでは運が良くて、越僑の役に務めさせていただきましたが、その幸運をじっと待つだけではいられないと思いました。そこで自分で脚本を書いて、プロデュースをしたらと考え、映画『ハイヒール戦争』(Am Muu Giay Got Nhon)のアイディアが生まれました。3年間をかけて制作し、ようやく高く評価されました。それで、女優だけでなく、プロデューサーとしても自信を持つようになりました。役に選ばれるのではなく、自分で好きな役を選ぶことができますしね。

多彩なキャラクターで女性を奮い立たせたい


―― ベトナムの映画産業はどう思いますか?

キャシー 急速で発展していますね。映画館に行って映画を見る人が多くなったので、興行収入や映画からの利益も高くなっています。映画への投資者も多くなり、俳優やプロデューサーにとって良いチャンスが増えています。

―― 彼氏と10年間付き合っていますね。

キャシー  彼は映画プロデューサーで、アメリカに住んでいます。10年間のうち、6年間は私がベトナムにいますので、ずっと一緒にはいられませんでした。だからこそ、彼に頼らずに独立して、自分の夢を追い続けることができます。彼もいつも私を応援してくれていますし。

―― 今後の予定は?

キャシー
 強い女性のイメージを中心に脚本を書いたり、演出したりしていきたいです。女性には、伝統的なタイプだけでなく、いろんな色があります。その多彩さをキャラクターに反映し、現代の女性を奮い立たせたいです。

Kathy Uyen/キャシー・ウィン

女優、プロデューサー、脚本家。1981年、アメリカのカリフォルニア州、サンノゼ生まれ。2008年にベトナム映画協会のゴールデンカイトアワードで助演女優賞、2013年に『ハイヒール戦争』で主演女優賞を受賞。