オンラインから実世界の歌手に転身


撮影/大池直人

―― ニーさんはホーチミン音楽院出身ですよね。

ニー はい、そうです。大学生の頃に作曲を始めました。プロデューサーのグエン・ダン・フン(Nguyen Dang Phuong)さんの協力で、2008年に自作曲の『ベビーミロの彼氏』(Chang Baby Milo)、『恋の観覧車』(Du Quay Tinh Yeu)を初めて各オンライン音楽サイトにリリースしました。この2曲は意外と人気になり、ラジオやカフェでよく流されました。それで、徐々に皆に知られて、ショーでの出演の依頼をいただきました。

―― オンラインから実世界の歌手に転身するために、どのような工夫をしましたか?

ニー これまでに様々な困難がありましたね。まずは家族からの反対です。親は元々私に音楽教師になってほしかったし、芸能の世界は危ないと思っていました。また、オンラインと違って、ステージ上の演奏は舞台をコントロールするスキル、自信などが求められます。

私は気が弱くて、緊張をしがちで、失敗もたくさん経験しました。でも、ステージの上に立てるだけで、自分が自分らしくなるという幸せな気持ちになるんです。そんな7年間の経験を積んだからこそ、今のドン・ニーが育てられました。

―― この間優勝した番組「ザ・リミックス」について、ご感想を。

ニー 「ザ・リミックス」の内容を聞いたとき、すぐに深い興味を持って、参加することにしました。
この番組では歌手とDJ、プロデューサーの3人のグループで力を合わせ、トランスやヒップホップ、ロックなど様々なジャンルで、グループ同士で競い合います。週に1回ライブが行われますので、プレッシャーがすごいし、集中力とステージ上の演奏経験が求められました。

しかし、それだからこそ、自分の技能が鍛えられ、創造力も最大限発揮できました。そして何より、チームワークを欠かしてはいけないと思うようになりました。今でも、うちのチームは調和のとれたチームだと誇りを持っています。

日本が大好きベトフェスの代表に


―― FBファンページの「いいね」が615万回以上です。

ニー 人生は時間が限られています。そんな貴重な時間を使って、わざわざ私のパフォーマンスを見に来て、応援してくれるファンの方々に心から深く感謝しています。皆の応援に応えて、常に努力しなければならないと心がけています。

―― 日本についてどんな印象を?

ニー 一番好きな質問かも(笑)。大好きです。2013年に東京で行われたベトナムフェスティバルでは、代表アーティストとして参加しました。また、空港に到着した瞬間、今まで行った外国とまったく違う雰囲気を感じました。日本人はフレンドリーで、非常に礼儀正しいと思います。どこでも日本式の「おもてなし」を実感できました。

―― 今後の予定は?

ニー トレンドになっているダンス、EDM、トラップのジャンルに挑戦していきたいと思います。2016年に新しいアルバムを発表する予定です。

Dong Nhi/ドン・ニー

歌手。1988年生まれ。2年連続Mai Vang賞の「最も人気の女性歌手」、ヤンヴイポップ20アワードの「最優秀女性アーティスト」など数多くの音楽賞を受賞。2015年にベトナムで初めて行われた「ザ・リミックス」(The Remix)リアリティ番組で優勝。お寿司、カレーが大好き。