SSI証券のベト株探訪記 No.005

5月下旬に発生した為替相場の大きな変化

5月下旬に為替相場の圧力が高まり、2018年で最も大きな変動に繋がりました。

米USD指数が2018年の最低水準から7%増の94・8に上昇し、USD/VNDレートを2万2800VNDから2万2880VNDに引き上げました。

しかし、国内為替レートは多くの要因によって支えられています。 外貨準備高は640億USDと記録的な水準になり、ベトナム国家銀行(SBV)が6月1日に中心レートを2万2566VNDに調整しました。その後、為替レートが2万2840VNDに落ち着きました。

また、銀行の流動性は以前よりも低下傾向が強くなっています。銀行間取引金利は当月の初めに安定したものの、短期間で反発しました。

さらに、銀行の流動性の低下が国庫債券の発行に影響を与え続けたことで、金利の引き上げ、特に10年と15年期間金利が必要であり(それぞれ+16bpsと+13bps)、二次市場において取引される債券利回りを押し上げました。5月の債券発行数は改善しましたが、2018年の5ヶ月間でベトナム国庫の年間目標額の29%を達成し、総額57・6兆VNDとなりました。

概して、銀行の流動性についてまだ心配することはないものの、貿易赤字や外国人投資家の撤退傾向などの新しい要因を注視する必要があります。

アメリカFRBの動きに注目を

また、ベトナム統計総局のデータでは、5月の貿易赤字は5億USDでした。外国人投資家の売り越し動向は、米連邦準備理事会(FRB)の金利引き上げの影響を受けた可能性があります。外貨の供給が減少したことで、米USD買いの流れも減少し、VNDの供給と銀行の流動性に影響を与えました。

今後は経済、社会の発展のために、政府支出に関する仕組みや手続きの問題を解決していく必要があります。

グエン・ドゥック・フン・リン Nguyen Duc Hung Linh
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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