【ベトナム株】2018年7月の各産業の動向、 成長率の状況は?
SSI証券のベト株探訪記 No.006
大きな転換期の石油・天然ガス産業
2018年7月に、ベトナムにおける石油・天然ガス産業は2つの重要な節目を迎えました。
1つ目は、ギーソン製油所が運転を開始したこと。2つ目は、4ヶ月連続でマイナス成長に落ち込んだ後に反発が起きたことです。コークスと石油製品の生産指数は6月に前年同期比+242%、7月には同+606%上昇しました。
また、7月の原油・可燃性天然ガス採掘指数は+0・3%成長しました。これは、天然ガスの採掘が+18・9%、原油が14・7%減となったことが原因です。原油価格は1バレル65~70USDと高い水準に留まり、生産量はわずかに減少しても、石油・天然ガス産業の総産出額は高い成長率に達しました。
弊社の換算方法で、原油・天然ガスの生産量は同1%減となったものの、総産出額の面では同+50%、1~7月では同3%減、総産出額は+38%となりました。
おおむねプラス成長携帯・電気は低迷中
一方、携帯電話・電気産業は引き続き減速しています。携帯電話の7月の生産量が1490万台と直近の17ヶ月間で最低値となりました。
かたや、医薬品、自動車、鉄鋼、衣類部門は引き続きプラス成長を遂げています。なかでも、特筆すべきは医薬品の前年同期比+63・4%の急成長です。
また、小売業の伸び率は同+8・4%で、外国人観光客などの数は減少傾向でも、小売指数は横ばいの状態が続いています。
また、ベトナム自動車工業会(VAMA)によると、6月の乗用車販売台数は前年同期比7%増の1万5100台で、これは6ヶ月間で6%伸びたことになります。
7月のデータを見ると、製造業が好調な成長の兆しを示していますが、全体の成長率は今年初めからの下落傾向が反転する可能性は低いと考えられます。
また、今後数ヶ月間に起きるであろう、中国人民元の切り下げおよび中国の需要低下がベトナムの輸出に影響を与えると考えられます。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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