【ベトナム株】第1四半期のGDPは推定値を上回る結果に
SSI証券のベト株探訪記 No.014
製造・加工業などが伸び悩み
第1四半期のGDPは6・79%と過去6四半期で最も低い成長率を記録しました。しかし、この数値は計画投資省の3月中旬の推定値6・58%は超えています。 農業が+1・84%で8四半期で最低となり、製造・加工業が+12・35%と、こちらも7四半期で最低となりました。
また、3月の全国消費者物価指数(CPI)は前月比0・21%低下し、多くの品目がマイナス成長となったことが分かります。そのうち大部分を占めるのは「食糧」(同0・55%減)、「食品」(同1・97%減)であり、米、豚肉、卵、野菜などの値段が下がったことが原因です。
第1四半期のCPIは前年同期比で9%増加しており、過去4年間で最も高い伸びを示しました。ただ、労働指数の成長や海外からの観光客到着数の増加、そして農業の低成長でさえも、全国消費者物価指数の成長を後押しするものではありません。
輸出は軒並みマイナス成長に
なお、第1四半期の輸出の伸び率は、+4・7%と、低水準に落ち込みました。携帯電話、水産物、野菜、米や鉄鋼製品などの多くの主要輸出製品がマイナス成長となったのです。10%以上の高い成長率を維持しているのは織物、履物および木製家具でした。
原材料を外部供給源に依存していたため、輸入に関しては比較的高い伸びを示しました。しかし、完成車や輸入医薬品などの完成品が、高い輸入水準に戻り、完成車が7倍増加し、医薬品が15・3%増加しました。 国内産業を保護するための措置が引き続き推進されるべきといえます。
2018年末に比べて、米USDが0・06%下落し、自由市場において0・32%下落しました。2018年半ばより、ずっと安定している中国人民元の動きが、外貨の保有を増やし、為替レートを安定させ、米USDを増やす原動力になりました。しかし、輸出額の伸びは鈍化しているため、それに伴い、外貨の取得量は2019年内はあまり伸びないと予想されます。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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