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月末には保険業、銀行業と石油関連株のおかげで、ベトナム証券市場は急騰し、過去8年の最高値を上回った。石油輸出国機構(OPEC)の原油生産を凍結する決定により原油価格は大幅に高騰し、石油関連株に良い影響を与えた。長い間横ばいが続いていた保険業の株も上昇した。この2つの業界の株は1ヶ月以内で10%以上上昇し、大型株の中で最も高い上昇率を示した。

また、下落が続いていたべトコムバンク(VCB)とベトナム投資開発銀行(BID)の株の反発のおかげで、市場で最大の割合を占めている銀行業も5%増となった。海外投資家の売り越し動向が続いているが、売り越し額は9月初と比べて大幅に減少した。株価下落が原因の1つで、銀行業、食品生産業と工業における売り越しが減速した。

上半期の5.52%増と比べて、第3四半期はGDPが加速し、今年9ヶ月間のGDP成長率は5.93%となった。資源開発と農業からの悪影響を除き、GDPの成長に大きく寄与したのは製造業であり、成長刺激要素となっている。中でも市場では、FDI(海外直接投資)企業から大きな支持を得られたと見られる。製造業のGDP成長率は前年同期比11.22%増となり、2008年以来の最高値に達した。ちなみに、工業における従業員数は4.2%増で、その中でFDI企業が6.8%増、民間企業が1.2%増、国営企業が1.7%減となった。

9月の製造業購買担当者指数(PMI)は52.9で、過去16ヶ月間の最高値に達し、ベトナム製造業は10ヶ月連続で「拡大」状況を維持できたことを示した。この結果は製造業の高い成長率と一致し、ベトナム製造業が順調な回復過程に入っているという見解を強化した。

グエン・ドゥック・フン・リン
Nguyen Duc Hung Linh
Saigon Securities Inc.の個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。シンガポールで市場分析家や法律専門家として勤務後、2011年より現職。
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