SSI証券のベト株探訪記 No.032

輸出回復、流動性は前月比28・8%増

第3四半期には、計画投資省によって予想されたGDP成長率(1・04~1・69%)よりも高いGDP成長率(2・62%)を達成。輸出が回復し、ベトナムドンが安定したことで2020年最初の9ヶ月の貿易収支が過去最高の黒字を記録しました。

預金金利と貸出金利が低下する傾向に沿って、今年の中央銀行の3回目の政策金利引き下げにより、センチメントはさらに高まりました。

9月は爆発的な市場流動性の月であり、3つの取引所にわたる流動性は2億8600万USD(前年比101%増、前月比28・8%増)となりました。

9月、外国人投資家は640億USDの純額を購入し、そのうちETFの流入額は1600万USDでした。VHMのプットスルー取引を除くと、外国人投資家は主にHPG、VNM、BID、GEX、GASなどの銘柄に対して1億6300万USDの純額を売りました。

CTBCは台湾からのアクティブ・ファンドであり、初期規模は1億6000万USDで、当初はFUEVVVNDの2100万株の購入を登録していました(ファンドの約7%〜8%)。
 
第3四半期の企業収益が10月のトピックスとなりますが、公共投資活動や回復力のある輸出活動に関わる収益は堅調であると予想されます。
 
もう1つの注目すべきイベントは、2020年11月の「セミ・アニュアル・インデックス・レビュー(SAIR 11月10日発表、12月1日発効)」。これはクウェートがフロンティア市場から新興市場に再分類されることからも影響を受けます。フロンティア市場インデックスにおけるクウェートのウェイトは約25・2%。MSCIはクウェートの割り当てがトップウェイトの国(ベトナム、モロッコ、ケニア、ルーマニア、バーレーンなど)に再配分された場合、ベトナムは追加の 5〜6%を取得することができ、これによりベトナムの比率を12・1%から約17〜18%に増やせると予想しています。
 
アメリカの選挙に向けて世界的な株式市場の不確実性に追随し、ベトナムの株式市場も多少の混乱が生じる可能性がありますが、この変動性は投資機会であると考えています。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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