【ベトナム株】2019年2月までの ベトナム経済の動き
SSI証券のベト株探訪記 No.013
鉱工業生産指数が低迷GDPにも影響あり?
19年の最初の2ヶ月間で、鉱工業生産指数の伸び率は、前年同期比+9・2%であり、製造・加工業の+11・5%および鉱業の4・7%減が原因で18年の+13・7%をはるかに下回りました。18年には前年同期比+38・3%を記録した主要産業製品である電子産業も、今年はわずか5・2%の増加にとどまっています。年初2ヶ月間で、携帯電話の生産台数は7・6%減の2850万台となりました。
鉱工業生産指数の伸び率の低迷は19年の第1四半期のGDPの成長率を著しく減少させるでしょう。
1月の総輸出額は予想の200億USDから、220億USDへと増加しました。その結果、1月の貿易収支は8億USDの赤字から8億1600万USDの黒字へと逆転しました。
2ヶ月間の総輸出額は前年同期比5・9%増の366・8億USDと推定され、これは過去3年間の最低水準です。携帯電話の輸出が7・3%減少したことが総輸出額の伸びを鈍化させる原因の1つと思われますが、国内企業が減速している兆候として重要視すべきでしょう。
19年のベトナム経済はどう変化していくか
年初2ヶ月間での新規・追加の海外直接投資(FDI)の総額は33億USDに達し、前年同期比57・8%増と大幅に増加しました。FDIの実施総額は前年同期比9・8%増の25・8億USDと推定されます。
中国と香港が最大の新規登録総額を持つ投資家です。
ベトナムにおける中国と香港のポートフォリオの詳細は公表されていませんが、貿易戦争の影響を回避する目的で投資家が生産拠点を移す傾向を推定するためには、考慮すべきシグナルとも考えられます。
なお、ベトナムを訪れた外国人旅行者数は350万人に達し、前年同期比8%増で、ここ数年で最も低い増加率となりました。中国からの観光客が減少したことが、主な原因です。しかし、その一方で、台湾とタイからの訪問者の数がそれぞれ前年同期比で27・1%と36・9%と大きく成長しました。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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