【ベトナム株】2018年8月の成長率5分野は好調に推移中
SSI証券のベト株探訪記 No.007
携帯電話の輸出で電気産業は変動
8月のテレビ生産台数は前月比28%増の150万台と急増し、2017年12月の過去記録126万台を突破しました。それにより、電気産業は前年同期比で+21・7%成長しました。
積極的な動きがある一方で、電子部品と完成品の輸出入量は改善の兆を示さず、成長率は減速しているほどです。そのうち、輸入の伸び率は前年同期比わずか+13・7%で、過去19ヶ月月間で最低値を記録しました。
また、同様に携帯電話の輸出成長率は過去13ヶ月で最低水準となりました。携帯電話は総産出額が高いため、携帯電話の輸出入の増減は、電気産業の成長に密接に関連しています。
例えば、テレビ生産の成長がプラスになっている時でも、電気産業指数は携帯電話の輸出数の影響を受けるのです。
携帯電話の輸出入の成長率は2016年末から2017年初めにかけてと同水準で、第2四半期第3四半期の電気産業指数はいずれも16~17%の範囲となり、前年同期の成長率25・1%よりはるかに低いと予測されています。
新分野の成長で、鉱工業生産は安定
産業別の伸び率をみてみると、好調な成長を維持したのは石油精製、繊維、医薬品、自動車、鉄鋼の5分野でした。
ギーソン製油所の運転開始がコークス採掘・石油精製の急騰を支え、原油・ガソリンの輸入超過を減らしました。1~6月期の原油・ガソリン輸入量は120万t/月だった一方、7月、8月の平均2ヶ月は81万t/月に低下しました。
世界的に原油価格が上昇したものの、原油・ガソリンの輸入総額が5億5000万USD/月に減少し、1~6月期の平均7億8000万USDを下回りました。
8月の自動車工業は+28・9%、2017年1月以来最高値を記録し、アパレルも+17・2%と2016年末以来の最高値でした。
安定している電気産業に加え、新しい成長エンジンにより、第3四半期の鉱工業生産指数は順調な成長率を示すだろうと期待されています。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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