SSI証券のベト株探訪記 No.047

中型株と小型株が上昇
大型株は横ばい

VN指数(ベトナム株価指数)は2021年11月に2.4%増の1478.4ポイントとなり、株式市場は11月25日に1500.8ポイントの史上最高値に達した。しかし、変異株オミクロンの出現が、数日間にわたり世界株式市場を急落させた。
 
11月に中型株と小型株はそれぞれ13.5%と8.3%上昇したが、大型株は横ばいだった。年初来、VN指数は33.9%増加し、VN30指数(ホーチミン市証券取引所の主要30銘柄)と中型株(VNミッドキャップ指数)、小型株(VNスモールキャップ指数)は、それぞれ43.6%と64.3%、93.1%上昇した。
 
中小型株は引き続き新しい資金を呼び込んだ。株価の上昇要因は第4四半期の強力な利益、増資計画、買収・M&A活動など。11月の最終週に、多くの銀行が2021年の貸出成長率上限の引き上げを承認され、投資家は銀行株に注意を向けた。
 
11月の産業部門は、国内の鉄鋼価格の減少に支えられたDIC不動産(DIG)、ビナコネックス(VCG)、ホーチミン市インフラ投資(CII)、ホアビン建設グループ(HBC)などのの力強い反発により、13.1%上昇。続いて、金融が10.1%上昇した。
 
一方、ペトロベトナムガス(GAS)が石油価格の急落により値下がりし、公益事業は10.8%減少した。

1日平均売買代金は
前年比337%に

3つの証券取引所を通じる売買代金は過去最高の16億USD(前月比52 %減、前年比309%増)に上昇。投資家は引き続き中型株と小型株を積極的に取引した(VN70指数とVN100指数の流動性は、前月比でそれぞれ61%と47%上昇)。
 
銀行セクターは貸出成長率上限の引き上げに関するニュースで再び資金を引き付け、証券株も増資の要因により活発だった。2021年初11ヶ月の1日平均売買代金は10億3000万USD(前年比337%増)。国内投資家の売買代金は、前年比78.7%増の85.2%を占めた。
 
11月、外国人投資家は依然として3億8700万USDを売り越し、年初来の売り越し総額は25億USDとなった。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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