SSI証券のベト株探訪記 No.035

2018年以来の
最高水準に到達

2020年を振り返ると、世界近代史上最も激動の年と言えるでしょう。新型コロナウィルスの大流行は数十年で世界経済に最大の衝撃を与え、前例のない財政・金融政策がとられました。また、ワクチン開発の大きな進展は、株式市場の短期的な回復を支えました。

ベトナムの株式市場が弱気相場に入ったのは3月だけで、2020年の残りの期間は予想に反する速度で回復しました。そして、市場は2018年4月以来の最高水準で一年を締めくくりました。

VNインデックスは前年比で14・9%回復し、1103・9ポイントに到達。12月の株式市場は前月比10・1%増で目覚ましい成長を見せ、財務セクターに牽引され、個人投資家の大規模な資金流入に支えられました。

この大規模な資金流入によって、市場の流動性は史上最高になりました。2020年12月の1日あたりの平均取引額は、3つの証券取引所において、6億2100万USD(前月比53%増、前年比343%増)。2020年全体の1日あたりの平均取引額は2億6700万USDで、前年比79・2%増加し、2018年より18・7%高くなっています。

新規個人口座開設も
過去最高に

個人投資家の取引は引き続き株式市場の主要な推進力となりました。12月の新規個人口座は63075口座(前月比54%増、前年比326%増)で過去最高を記録しました。外国人投資家の取引額は、過去数年間の市場全体の取引額の14%〜16%を占めましたが、2020年には11・3%に低下し、12月にはわずか7・3%となりました。外国人投資家は2020年に813百万USDを超える純売りを記録しましたが、ベトナムのETFが1億9300万USDの純資金流入を集めています。

このVNインデックスの上昇の勢いは今後1〜2ヶ月続くと考えられます。さらに通常、第1四半期は、市場への資金流入のピーク時であるため、VNインデックスは1月には1175ポイントのレベルに達する可能性があると予想されます。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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