賃料は引き続き上昇傾向にあり

弊社CBREではロケーション、面積、建築構造等により、独自の基準でオフィスを3段階で評価しています。

2018年第2四半期のホーチミン市は、第1四半期から引き続き新しいオフィスビル供給がなく、オフィスの供給面積はAグレードで38万2763㎡を維持し、B級は10区のヴィッテルコンプレックスが賃貸スペースが拡大し、81万4330㎡になりました。

2018年内に2区タコビル(6000㎡)と7区エムビル(3000㎡)の2つのBグレードのオフィスビルが完成しますが、いずれも外部向けの貸し出しスペースは限られています。

AグレードとBグレードの賃料は、前四半期比、前年同期比ともに増加しました。特にAグレードは、急速な需要数の増加と限られた供給数により前四半期比7・0%、前年同期比17・0%の成長率を達成しました。

同様にBグレードの賃料は、Aグレードほどは上がらないものの、前年同期比7・3%増の成長率を示しました。

2020年までに供給は安定する見通し

この1年間、オフィスビルの需要数は急速に伸びています。Bグレード物件に入居する一部の企業がより良い立地を求め、または面積拡大のために転居をする傾向がありますが、市場へはあまり影響しません。

弊社の取引内容からみると、オフィス物件の入居企業は生産(22%)、銀行・金融・保険(22%)、IT・メディア・テクノロジー(17%)という割合でした。

なお、入居企業はアジア太平洋の企業が需要の61%を占め、残りの15%がヨーロッパの企業となっています。

2019~2020年に供給が偏ることで、今後もAグレードの賃貸料は上がり続けるでしょう。2019年にかけて新供給が安定するのでBグレードの勢いは引き続き安定すると想定されています。

2018~2020年は依然として物件オーナー主導の市場になると考えられます。

ハン・ダン Hang Dang
CBRE Vietnamの現CEO。不動産の売買・仲介、マーケティング、調査・鑑定など、すべての事業運営を担当している。
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