【CBREベトナム】ホーチミン市のコンドミニアム市場過去３年で最も少ない供給数に

低価格物件は
新規供給なし

２０２１年第１四半期は、ライセンス問題や新型コロナウィルス感染症の影響により、新規の供給量が引き続き減少しました。前四半期比で74％、前年同期比で53％減少し、合計販売数は１７０９戸。過去３年間で四半期ごとの供給数として最少となりました。

ハイエンドと高級物件が新規供給量で市場をリードし続ける一方、中・低価格帯の供給量は限定的です。

例年55％～60％を占める中価格帯の物件は、全体の41％。高級物件は第２位で全体の39％、ハイエンドは20％で、低価格帯は新規供給がありませんでした。

地域別では、ホーチミン市の東地区が総供給戸数の47％を占め、南地区が36％、西部14％、中部３％となっています。中心部では、未利用地の少なさや許認可の問題から供給が限られています。

供給数が少なく
販売数が減少

プライマリー市場の平均販売価格は、前四半期比２・９％増、前年同期比14・６％増の２２１９ＵＳＤ。価格上昇は、好立地、より良い引き渡し条件や設備、支払条件のサポートが理由です。

２０２１年第１四半期の販売件数は２６２４戸で、前四半期比で48％、前年同期比で31％減少。同期の新規発売の供給数を大きく上回りました。プライマリー市場での供給が限られていたことが、販売戸数の減少の主な理由です。新規発売物件の吸収率は良好で、平均で80％。２０２０年のハイエンド在庫を徐々に吸収し、前四半期比で在庫は16％減少しました。

２０２１年の見通しについてＣＢＲＥベトナムのシニアディレクター、ズオン・トゥイー・ズン（Ｄｕｏｎｇ　ＴｈｕｙＤｕｎｇ）氏は次のように指摘しています。

「引き続き厳しい年となりますが、強い地元の需要は前向きなシグナルが出ています。これは、エンドユーザーと投資家の両方にとって供給が不足する中で、デベロッパーがこの需要を満たす機会となります。

市場に変化はないものの改善し、９区、12区、ビンタン（Ｂｉｎｈ　Ｔａｎ）区、ニャーベー（Ｎｈａ　Ｂｅ）農村地区での新規プロジェクトで年間約１万７５００戸が見込まれます」

ハン・ダン　Hang Dang

CBREベトナムのCEO。不動産の売買・仲介、マーケティング、調査・鑑定など、すべての事業運営を担当している。
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