SSI証券のベト株探訪記 No.044

市場は全体的に
横ばいの動き

8月は最初の2週間で1314ポイントから1371ポイントへ5%上昇。その後2週間で下落し、前月比1・6%増の1331ポイントで月を締めくくった。
 
主因はVN30指数(ホーチミン市証券取引所の主要30銘柄)の弱いパフォーマンス(前月比1・3%減)。中型株VNミッドキャップ指数と小型株VNスモールキャップ指数は、それぞれ5・7%と16・5%増加した。
 
年初来、VN指数(ベトナム株価指数)は20・6%増加し、そのうちVN30指数、VNミッドキャップ指数、VNスモールキャップ指数はそれぞれ33・4%、32・8%、43・7%増加した。
 
金融セクターは、銀行株の強力な利食い売りにより、8月も下落を継続(前年比1・6%減)。VN指数の上位10の減少銘柄には、ヴィエティンバンク(CTG)、ベトナム投資開発銀行(BID)、テクコムバンク(TCB)、ベトナム国際銀行(VIB)、アジア商業銀行(ACB)、サコムバンク(STB)、軍隊銀行(MBB)、フオンドン銀行(OCB)の8つ銀行株があった。
 
ビングループ(VIC)、ビンホームズ(VHM)、サイゴンビール・アルコール飲料(SAB)などの大型株も強い売り圧力にさらされた。
 
資金の流れは、ヘルスケア(21・7%増)、電気通信サービス(9・1%増)、公益事業(4%増)などの防衛セクターに向かった。産業部門は輸送とロジスティクス、建設、建設資材の株式の影響で、12・4%上昇。肥料、化学薬品、鉄鋼の株式が材料を12%急増させた。

売り越しに戻った
外国人投資家

3つの証券取引所における売買代金は、8月に11・8億USD(前月比22・2%増、前年比421%増)に達した。 個人投資家が中小型株を活発に取引したためで、6月に設定された史上最高値まで、ほぼ回復した。
 
VN70指数とVN100指数の流動性は、前月比それぞれ71%と101%増加。2021年初8ヶ月の1日平均売買代金は、9億3500万USD(前年比389%増)に達した。
 
8月、外国人投資家は売り越しに戻り、その額は2億9500万USD。年初来の売り越し額は合計14億USDとなった。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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