SSI証券のベト株探訪記 No.010

各銀行により異なる預金金利は上昇傾向

銀行間取引市場が10月末に急増した後、VND建て貸付金利は11月中に高い水準となりました。翌日物レートは4・7~4・9%/年の範囲で上下し、一時的に4・96%/年という過去5年間の最高値に達しました。3ヶ月の定期金利は5・2%/年に達し、6ヶ月未満の上限預金金利との差は30bpsとなります。

対顧客市場における預金金利は、すべての定期が上昇しました。しかし、各商業銀行間の預金金利の差はかなり大きいと言えます。現在、各銀行ごとに6ヶ月未満の預金金利は年率5・5%の上限金利となり、6〜12ヶ月間未満は5・7%~7・6%であり、12~13ヶ月は6・8~8・0%となります。

これらの動きの理由として、1年の最後の数ヶ月は通常、貸し付け金が増加し、預金の伸び率は減少するという季節的な要因、外貨の購入、予算支出の増加による国庫への納入金の減少などが商業銀行の流動性を低下させました。

さらに、各商業銀行は中・長期融資に充てる短期資金の上限比率を現在の45%から40%への引き下げることに備え、短期的に金利は高くなるでしょう。

下落がストップしたVNインデックス

長期的に、金利の安定をもたらすいくつかの要因があります。11月の全国消費者物価指数(CPI)は前月比0・29%低下、前年比3・46%となりました。この指数は4%の目標を大幅に下回っています。

前週の各指数の急落により、11月には証券市場が反発。10月の売り圧力により、VNインデックスのPERは2018年最低値である15・5倍(10月30日)に下落しました。年初と比較し、18%減となります。大手企業の第3四半期の好調な業績などが投資家家の心理面での支えになり、11月の株価指数の回復をもたらしました。

11月19日、VNインデックスが最も高く伸び、この日を境に、VNインデックスは短期的な下落を終え、新たに11月に強気な成長周期に入ったといえます。

グエン・ドゥック・フン・リン Nguyen Duc Hung Linh
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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