トナム人の女性マネジャーから、悲痛な叫びを聞きました。
「日本人ダイレクターがカラオケで覚えたベトナム語をオフィスで連発していて、頭がおかしくなる。いい加減にしてほしい!」

彼女の上司はオフィスで毎朝、ベトナム語で声をかけたり、皆でカラオケに行った時はV-Popを歌ったり、ベトナム人メンバーと仲良くなろうとする気持ちが十分に伝わるのだとか。素晴らしいことですし、私もこの連載で同じようなアドバイスをしたことがあります。

ただ、カラオケ店のお姉さんとその瞬間だけを楽しむジョークを覚えて、連発する姿を見ていると、感情が変わってくるとか。「一日中一緒に、長く働くスタッフを、馬鹿にしてんのか?」と殺意さえ抱くそう。なぜなら…品のない言葉も多いからです。

「特に若い女子は、『私はカラオケで働いているわけではない。あんなゲスなベトナム語をオフィスで聞きたくない』とキレています。皆めんどくさいからニコニコしていますが、あれならベトナム語を一言も話さない上司のほうがよっぽどマシですね」

確かにベトナム語を話すとベトナム人との距離が縮まるし、話題がウケると嬉しくなって何度も話したくなりますが、内容を間違えるととんでもないことになると認識しました。そして、この手のパターンで一番怖いのは、「よほどベトナム語が上達しなければ絶対に気づけない」ことです。ちなみに、皆さんご存知の「チョイオイ~!」も、何度も言うといい気持ちをされないとか。

「このベトナム語がウケる!」と思っても、本当に大丈夫かどうかを、まずは信頼できるベトナム人メンバーに確認するのがベターでしょう。

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn