六本木が日本のすべてだと思っている上司 尊敬できますか? の巻
日系企業に20年以上勤務している、ベトナム人女性ダイレクターから聞いたことです。私が、「ベトナムで一緒に働く日本人上司の方は尊敬できますか?」と尋ねたら、こんなふうに逆質問されました。
「何年住んでも、六本木が日本のすべてだと思っていて、外人好きな日本人女子に片言の日本語でしか話せない外国人上司を、あなたは尊敬できますか?」
お、笑顔で宣誓布告か、と思った人もいるでしょうが、彼女は日本が好きで、日本語を学び、日本で暮らして働き、今はベトナムにいる人です。ずっと長い間、日本にとても興味を持ってくれている人です。物事を表面的にとらえて発言する人では決してないのです。
彼女は、仕事はできるのはわかっても、海外にいてその国に何の関心も持たない人を見ると、悲しくなると言いました。そりゃそうですよね。日本にいて、日本に何も感じない外国人を見ると、私たちも悲しくなりますから。その後、彼女の笑顔でこうまとめました。
「だから、ベトナムにいる間は、少しでいいからベトナムに興味を持ってほしい。それだけですね!」
そうなんです。やっぱり仕事だけじゃないんです。どんなに仕事ができても、仕事のみから信頼を得るのは日本以上、ベトナムではとてもハードルが高いのです。日本と同様に仕事一本だけで高い頂を目指し、チャレンジする志はもちろん素敵です。ただ、仕事というベースを、最初は形だけでもいいので「信頼」というパッケージで包むと、仕事へのいいフィードバックがあるのです。そして、たとえ形から入っても、しばらくするとその中身がきちんと備わっていることに気づくでしょう。
加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn
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