任や異動の時はどうしても引継ぎがありますよね。今回はステキな引継ぎをしているアジア系の会社をご紹介します。その会社では駐在員の引継ぎには必ず2ヶ月を取り、3つのことをするそうです。コト(仕事そのもの)とヒト(社内外の人間関係)の引継ぎと、新任者のプロデュース(前任者からの紹介)です。

そのための大前提として、前任者は異動の3ヶ月前に新任者の上司から彼の詳細な情報を入手し、来社前から彼の性格や仕事ぶりを理解しておく。その国で新任者を一番理解するのが引継ぎの最初の仕事、という点が新鮮に感じました。

実際の引継ぎで、最初の「コト」は誰もがすること。次の「ヒト」では、上記のように社内の上司やメンバーの性格、仕事の仕方、特記事項などを前任者が書きとめて新任者に伝え、仕事のキーパーソンとは個別で一緒にランチに行く。新任者と、もちろん社内外の人材も良く知っているので、橋渡しはしやすいとのことです。

最後は、新任者のプレゼンのサポートです。新任者は引継ぎの最後に、「私のベトナムでの2ヶ月」というテーマでプレゼンをして、どれくらいベトナムと社内について理解したかを発表します。そこでは前任者による「新任者にいかに安心して仕事を任せられるか」という発表もあり、新任者の他己紹介もする。こうしたプレゼン全てのサポートです。

赴任前から新任者を理解し、一緒に仕事をし、最後のプレゼンに向かう。そのプレゼンでメンバーの不安を一掃し、新任者への信頼感を早い段階で得る。前任者の最後の大仕事であり、人事考課でもとても大切なポイントのようです。日系企業にも参考になる点は多いと思います。

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn