なるほどthe住まい No.13

住宅ローンの場合
制約が発生する?

 最近日本にお住まいの皆様から、ベトナムの不動産購入に関する問い合わせをよく頂きます。多くが新規分譲マンションの購入についてですが、時々「中古はないの?」と質問されます。しかし、ベトナムでは外国人は基本的に外国人でも買えるという認可を受けた新築物件しか購入できないのです。
 建物が完成し、鍵の引き渡しをします。日本在住のほとんどの方は、我々のようなベトナムの不動産仲介会社を頼り、レッドインボイスの発行、納税処理、入居者の細かいクレーム対応など、一切の諸業務の管理委託を希望されます。
 ただ、問題はここからです。もし、住宅ローンを使って買う場合、制約を受ける可能性があるのです。
 ベトナムで住宅ローンを組む場合、その名義は結婚相手のベトナム人となるケースが大半です。ベトナムの銀行と金銭消費貸借契約を結び、ローンが実行され、マンション分譲会社へ振り込まれます。と、同時に銀行は担保代わりに物件のピンクブックをマンション分譲会社から受け取るのですが、建物が完成していないと売買契約書原本を担保代わりに抑えます。

“もしも”のために
同意書の準備を

 ここで気をつけないといけないのは、銀行と結ぶ金銭消費貸借契約の内容です。大抵「債務完済まで、購入物件を売却、譲渡、賃貸は銀行の文書による同意がないとできない」と規定されています。よって、賃貸ができないために「銀行ローンを家賃収入から返済する」ことが、この規定によって不可能になります。
 「世間のベトナム人は銀行ローンでマンションを買い、家賃収入から返済しているじゃないか」という声もあり、銀行に問い合わせたところ、あくまでも形式的な記述で、実際は返済が滞っていない場合は賃貸しても良いとの回答でした。ただ、管理委託を申し込まれる立場としては、コンプライアンス上、銀行からは同意書を一筆もらっていただけると安心です。ご注意ください。

 

田口 庸生 Taguchi Tsuneo

ハノイリビング

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