ベトナムメディア業界 右往左往 No.6

社員の住居探し思わぬ盲点に注意

最近ちらほらと耳にする、横文字の会社名。我々と同業のローカル不動産仲介業者なのですが、大手日系企業に食い込んで売上を伸ばしているようです。

以前、日系大手メーカー様から突然、「このコンドミニアムの家賃相場を教えて頂けないでしょうか」と問い合わせがありました。我々がよく案内している物件だったので、その場で口頭でお伝えすると、一瞬沈黙が流れた後に「一度社に来て頂けないでしょうか」と。

何か思い詰めたような口調が気になり、事務所を訪問し、詳しくお話をお伺いすることにしました。

任せっきりにせず家賃相場の確認を

話の顛末は、どこにでも転がっているような、よくある話。日本人赴任者の住居探しをベトナム人スタッフに任せていたその会社。担当のベトナム人にまず接近してきたのは、冒頭の横文字ローカル業者です。

「日本人のアパート探しを任せてくれるなら、君にキャッシュバックをあげるよ」

ベトナムに根強く残る悪しき習慣です。遡ること10年以上、全員の住居探しをその横文字業者へ振り続けていたことに、私共が提示する一切「盛らない」家賃額を見てようやく気が付かれた次第です。

予算が1500USDなら、1000USDの部屋を1500USDと言って決めさせ、1500USDの“天ぷら契約書”を作ります。そして、差額の500USDを不動産業者と総務担当スタッフで山分けをする。何十人もの日本人社員の家賃を長きにわたり着服する構図です。完全にコンプライアンス違反です。

こういう業者を、我々は健全な市場育成のためにも許す訳にはいきません。総務部門長様、おかしいと思ったら相場の確認をしてください。弊社は全アパートの「オーナーの出し値」をお伝えさせていただきます。

 

田口 庸生 Taguchi Tsuneo

ハノイリビング

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