【ベトナム株】困難に直面するベトナム産業
民間企業を保護する重要性
SSI証券のベト株探訪記 No.022
輸出成長の希望は 電子と金属鉱石
ベトナムにおける加工・製造業の指数は、電子産業の改善のお陰で横ばいであったものの、多くの産業は相変わらずゆっくりとした成長が特徴です。10月の自動車産業の成長率は前年同月比で3・2%減少し(輸入は依然として増加しています)、 10ヶ月間で自動車生産業の成長率はわずか7・6%増でした。前年同月比の場合は15・8%増となっています。このような状況から、自動車産業を含む、国内生産者を保護する政策は、明確な効果をもたらしていないことがわかります。
10月の電子産業の成長率は14ヶ月間で最高値を達成しました。携帯電話の販売台数は前年比17・9%増の2240万台に到達。携帯電話の生産量の成長は、2019年残り2ヶ月間の輸出量の伸びに期待ができそうです。
金属鉱石の成長率は前年比20・7%増で、鉱業の成長率を同1・2%増に押し上げ、重要な原動力へと発展しました。(前年同期、金属鉱石は同 2・4%増、鉱業全体は同2・3%減)。ラオカイ省やハティン省などの金属鉱石採掘指数は、前年比で20%以上増加しています。
2020年も 課題は山積みか
1ー10月のFDI実行額は前年比7・4%増の162億USD(前年同期:同6・3%増)。 外国人投資家の株式購入・出資金は同70%増の108億USDと推定されます。10月の輸出総額が0・8%減少し、10月の輸出総額が0・8%減少しました。企業類別でみると、FDI企業の輸出が5・5%減少しています。品目別では、ーヒー、コショウ、野菜、水産物などの多くの農産物が減少し、輸出主要製品である携帯電話の輸出は8ヶ月間のプラス成長の後、0・9%減少しました。
ベトナムの商品輸出にとって、世界経済の成長の鈍化は主要なリスクです。2020年も引き続き、低迷すると予想されるため、ベトナムの輸出産業と経済成長は多くの課題に直面していると言えるでしょう。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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