SSI証券のベト株探訪記 No.029

第2四半期のGDPは前年比0・36%に

5月の強力な反発の後、6月のVNインデックスは4・55%低下し、825・11ポイントで終了。年初来、14・1%減少しました。株式市場の収益率は4月と5月の2ヶ月で30%だったため、HPG、SSI、DPM、PHRとVNMなどの回復力のある株に対しても、短期投資家は利食い売りをしました。第2四半期のベトナムの実質GDP成長率は、前年比0・36%のプラス成長となりましたが、市場は経済全体に対する新型コロナウイルスの深刻な影響がこの四半期に完全に反映されていなかったと考えています。現時点では、その影響が何らかの形で今後の四半期に続くという見解があります。
 
ベトナムはパンデミックを抑え、国内株式市場は堅調な回復が見えてきたにも関わらず、外国の投資家は、彼らの現実とは異なると感じているかも知れません。グローバル市場とベトナム市場は対照的であるからです。

航空会社や空港、小売りは損失が継続

新型コロナウイルスの影響で、今年のAGM(年次株主総会)は4月から6月に延期となりました。第2四半期の利益が回復してきた企業には、ACB、CTG、DPM、FPT、HDB、HPG、HSG、PHR、POW、PVS、SSI、TCB、TCM、VCB、VIB、VNM、VPBが含まれますが、航空会社や空港、小売り企業、MSN、SAB、GAS、BIDなどの優良株式銘柄が損失を受けています。
 
流動性は2018年5月以来最高水準に達し、3つの取引所の平均取引額は6月に2億6400万USD(前月比17・9%増および前年比107・7%増)に到達。外国投資家は、VHMでの6億5000万USDのプットスルー取引を含めると、5億9600万USDを純購入しました。しかし、この取引を除いて、外国人投資家は5500万USDのわずかな純額を売りました。ETFへの流入額は27・1百万USDに達し、投資家はVFM VN30 ETF(23百万USDの流出)からVFMVNダイヤモンドETF(36百万USDの流入)に移動したようです。VHMとMSNの取引を除くと、2020年上半期の累積で、外国投資家は9億4800万USDを引き下げました。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
ウェブサイト:www.ssi.com.vn