【CBREベトナム】ホスピタリティ産業におけるコロナ第２波の影響

２０２０年３月末、ベトナム政府はＣＯＶＩＤ-19の拡大を防ぐために外国へのすべての国際便を一時停止しました。そのため、第２四半期だけで、外国人の入国は99％減少。全国のホテルのパフォーマンスも低下し、２０２０年上半期の平均ＲｅｖＰＡＲ（客室１室あたりの売上を表す値）は、ハノイとホーチミン市でそれぞれ56％と64％に大幅減少。ベトナム全体でも前年比55％減少しました。

ホテルの稼働率は、全国的な社会的隔離が生じた４月に最低水準に達し、その後５月と６月に地元の観光客が再び戻ってきたため、ゆっくりと回復。しかし、ホーチミン市とハノイの４～５つ星のホテルは外国人観光客に強く依存しているため、稼働率は毎月１〜１・５ｐｐｓの微増でした。

長期的な見通しは
依然としてポジティブ

国内観光は６月までに復活の兆しを見せ、５月に比べて国内旅行者の旅行数が２・３倍に増加。北部のサパ、ハロン、南部のブンタウなどの旅行への関心が大幅に増加しました。しかし、７月下旬からＣＯＶＩＤ-19の第２波に直面。一部の地域では拡散を防ぐために社会的隔離を行っています。それでも、インフラの改善、有利なビザ政策、観光産業を重要産業にするという政策のおかげで、ベトナムのホテル部門の長期的な見通しは依然としてポジティブです。封じ込めに向けた効果的な取り組みを国際社会から高く評価されており、パンデミックが終われば安全な旅行先として、世界の観光シーンでベトナムのイメージを高めることが可能だと考えられています。

投資環境については、一部の日和見主義的な投資家の中には、ディストレス債権を大幅に割安で手に入れようとする投資家もいますが、これまでの市場では、４つ星、５つ星セグメントのディストレスト債権はあまり見られません。今後は低収益のセグメントや、戦略的ではないと考えられる資産の売却を求めるホテルチェーンオーナーの投資機会が増えると考えられます。

ハン・ダン　Hang Dang

CBRE Vietnamの現CEO。不動産の売買・仲介、マーケティング、調査・鑑定など、すべての事業運営を担当している。
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