なるほどthe住まい No.31

毎年恒例の
2大クレーム

ハノイで10年近くお客様のクレーム対応をさせていただいていますと、毎年恒例のお問合せがあります。それは、冬から一気に暑くなる時期の「エアコンが冷えません」。そして、寒さが厳しい1月頃の「お湯がぬるくて風邪引きそうです」。この2つです。これはアパートが空調・給湯設備にどれだけお金をかけているかで全くその対応は変わってきます。冷房設備はまだ簡単です。暑い季節が長い国なだけに経験値が溜まっているからです。大体は冷媒ガスが抜けているか室外機にあるセンサー不良。部品交換をすれば大概は冷えてくれます。

融通が利かない
大型マンション

問題は冬に「熱いお湯が出ない」というクレーム。これは大変です。キンマーエリアに数多くある小規模サービスアパートなどは、バスルームの上にあるタンクを電気で熱しているので、構造が簡単で電気工事で直ぐに熱くなります。1番の問題は、大型コンドミニアム。「お湯はセントラルヒーティングなので、毎日肩まで熱いお湯に浸かれます」。こう謳う物件でありながら、そのシステムが一歩狂うと、元に戻すのが大変です。そもそも、地下で熱したお湯を全館に給水管を通じて循環させているので、寒くなると給水管を走るお湯が空冷され、お客様の部屋に届く頃には38度ほどになっています。人肌じゃ風邪を引きますよね。
 
先日もあるコンドミニアムに住むお客様から大波のようなクレームをいただきました。管理会社のホットラインに連絡しても、「頑張っています」との応対。ワーカーに詰め寄っても「40度近いお湯なら御の字でしょうが」と返される。一定以上の寒波が来たら更に熱い温度で循環させれば良いのですが、その判断に経費のそろばんを入れられると、暖簾に腕押し。恐竜のように融通が利かないのが、大型マンションの給湯問題。お気をつけください。
 

 

田口 庸生 Taguchi Tsuneo

ハノイリビング

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