SSI証券のベト株探訪記 No.037

ワクチンの輸入が市場センチメントを後押し

取引日数が15日だった2021年2月、特にテトの休暇の前後にベトナムの株式市場は非常に不安定な動きを見せました。
 
テトに入る直前にベトナム国内での新型コロナウィルスの新規感染者の発生により市場が深く下方修正しました。しかし、政府はすぐに第3波の脅威を効果的に打ち負かしたため、投資家の懸念が弱まり、テト後の市場センチメントは方向転換しました。
 
ワクチンの輸入によって景気回復の兆しが見えたこともまた、市場センチメントを後押ししました。
 
全体として、VNインデックスは2月に前月比で10・6%増加し、1168・5ポイントで終了しました。

個人投資家が市場を圧倒的に支配

2021年2月の1日の平均売買は6億5900万USDとなり、前月比で17・7%減少しましたが、前年比で325%増加しました。
 
個人投資家は引き続き圧倒的な割合で市場を支配し、2020年は市場売買の88・7%を占めていたのを増額し、2021年2月には、市場売買の90・4%を占めました。

外国人投資家の売り越しは続く

対照的に、外国人投資家は2月に6100万USDの売り越しとなり、5ヶ月連続で売り越しをしています。
 
ETF(上場投資信託)に関しては、投資家から3700万USDの資金が流入しましたが、これは主に、VFMダイヤモンドETF、VanEck VectorsベトナムETF、およびFTSEベトナムETFを介して行われました。一方、投資家は今月、KIMKINDEXベトナムVN30ETFを大量に売っています。
 
セクター・パフォーマンスに関しては、エネルギー部門は2月、成長率が19・1%に達し、最も高い成長率の部門となりました。材料セクターも最前線に到達しています。
 
一方で、新型コロナウィルスの一時的な再流行によって、パフォーマンスが最も悪かったのは、ヘルスケア株と一般消費財株でした。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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