IT知識基本のき No.029

皆さんこんにちは。前回は、データ保管について、噛み砕きました。今回は、いま世界的に不足している半導体について、何が起きているのか、噛み砕きたいと思います。

新型コロナによる
ロックダウンと減産

昨年春、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に大流行し、多くの国がロックダウンを行いました。不要不急な外出が制限され、生活必需品の生産のみに絞り込まれました。

自動車の生産工場などは操業を停止。自動車の需要も減り、再開後も減産を続けました。

一方で、ロックダウンやテレワーク、巣ごもりにより、通信機器やPC、ゲーム機などの電子機器における需要が一気に増加。需要が落ち込んだ自動車用半導体の生産ラインを切り替えても、供給が追いつかない状況です。

需要回復も
供給が足らない

もともと、2020年は新しい通信規格5Gに伴う半導体需要がありました。スマホやタブレットはもちろん、ネットワーク機器やサーバーなどの需要も増加しました。

そのタイミングで自動車工場が生産量を元に戻そうとしても、ラインが既に空いておらず、供給不足が発生しました。在庫を持たないサプライチェーンが裏目に出てしまった格好です。

実は足らない
半導体工場

半導体メーカーといえば、インテルやアップル、クアルコムなどが有名ですが、実は自社工場を持たず、ほとんどを生産委託しています。

近年では製品の小型化や高性能化が進み、半導体の精度も上がりました。一方、その品質を担保できる半導体の生産工場は増えていません。急増する需要に対して生産が追いつかず、供給不足となっているのです。

加えて、天災・火災などにより一部の生産工場が稼動を停止。半導体を生産するクリーンルームはすぐに再建・修復ができず、一気に供給不足が広がったのです。

大手の電子機器メーカーは、半導体の生産工場と長期間の生産契約を結んでおり、一定量の供給は可能です。自動車は、ガソリン車でも多くの電気制御が行われており、半導体がなければ生産はできません。結果として減産せざるを得ず、経済への影響は少なからずあるようです。

安藤 究真 Ando Kyuma
大学四年時にサーバーホスティングを提供する(株)チロロネットを設立。2015年にはベトナム現地法人を設立。Chiroro-Net Viet Co., Ltd.
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E-mail:ando@chiroro.vn
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