IT知識基本のき No.019

皆さんこんにちは。今回は「VPN接続の仕組み」について噛み砕きます。数号前の「社内サーバーにアクセスする方法」よりも、少し仕組み寄りの内容になります。

インターネットを使うVPN接続

インターネットが流行する前まで、地理的に離れた機器同士を接続するためには、専用回線しかありませんでした。インターネットVPNの登場により、専用回線ではなく、公衆回線(一般的なインターネット網)を利用して、地理的に離れた機器同士を接続します。具体的には、オフィス内のファイルサーバーに自宅のPCから接続する例で説明してみます。

オフィスにVPNルーターという機器を設置します。PCには、VPN接続ができるソフトウェアをインストールし、オフィス内のVPNルーターへ接続します。そうすることで、インターネットを介した仮想専用回線(VPN)が構築され、自宅にいてもオフィスのLANに接続しているのと同じ状態となり、ファイルサーバーが参照できたり、ネットワークプリンタに出力することができるようになります。VPN接続をした状態でウェブサイトを閲覧すると、VPNルーターからインターネット網に抜けるため、オフィスから閲覧したことになります。通信は、IP‐SecやSSLを利用してデータの暗号化をしているため、情報漏洩リスクは低くなります。このような接続方法を、インターネットVPNと呼びます。

インターネットVPNのメリットとデメリット

一番のメリットは、地理的に離れていてもインターネット環境さえあればVPN接続することができることです。専用回線と比べると安価ですし、暗号化をすることでセキュアな状態を保てます。一方でデメリットも当然あり、暗号化していても専用回線ではないため情報漏洩リスクはゼロではありません。また、一般回線を利用し、かつ暗号化された大量のデータをやりとりするため、速度が担保されません。

安藤 究真
大学四年時にサーバーホスティングを提供する(株)チロロネットを設立。2015年にはベトナム現地法人を設立。
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