【ベトナム趣味】エムビー新生ファイナンス(m-credit) 副会長
田中俊三
ベトナムのオフな面々 Vol. 029
繊細かつダイナミックに
阿波踊りで魂をふるわせる!
「本場徳島の連の動画を見て、〝どうやったらかっこ良く見えるか?〟と研究しています」
とある平日の夜9時。ベトナム人の若者が頻繁に出入りする貸しスタジオの一室から、小気味よいリズムが聞こえてきた。
カランカランと鉦の音が鳴る方へ行ってみると、阿波踊りサークル「ハノイ香蓮」が練習を繰り広げていた。
中でも田中俊三さんは人一倍、汗を流しながら踊りに集中している。
「阿波踊りはとにかく基礎練が大事。みんなで集まる時は、まず足の動きから練習します。その土台に、姿勢の維持、腰や手の使い方が加わる。一見、単純そうに見えて、実はものすごく奥深いのがおもしろい」
ダンスへの興味は大学時代に遡る。ダンスユニット「ズー/ZOO」が誕生した頃で、ハウスミュージックやユーロビートに影響されて、ディスコで踊り明かす日々だった。
阿波踊りに出会ったのは、25年前のこと。毎年、大規模な阿波踊り祭りが街中で行われる東京・高円寺で観客として参加。何年も見続けるうちに、伝統と多様性を兼ね備えた阿波踊りの魅力にはまっていった。
「興味はあったものの、一歩が踏み出せないままでした。2017年にハノイに赴任し、ハノイ香蓮の存在を知った瞬間に『よし、参加するぞ!』と思いました」
現在のメンバーは、踊り手が15人、楽器担当が5人。年齢も職業もさまざまだが、和気あいあいとアイデアを出し合いながら振り付けや構成を作りあげている。
大規模な催事から飲食店の周年記念など、発表の場は多岐にわたる。この日は、とあるパーティーで披露する演目の練習を行っていた。
「阿波踊りには女踊りと男踊りがあり、うちのサークルは男踊りが中心です。〝あばれ〟と呼ばれる激しい振りも静かな動きも、しなやかに見えるように、全神経を研ぎ澄ませて踊っています」
踊ってただ楽しいだけではないのが醍醐味だ。
「見てくれた人が『阿波踊りっていいな』と心に留めてくれるような踊りができたらいいですね。ベトナムの人々にはまだ知名度が低いですが、メンバーをもっと増やして、ホアンキエム湖のまわりを阿波踊りで練り歩きたいです」
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