総供給量は横ばい
M&Aは活発に

2021年第3四半期の小売市場では新規供給がなく、ホーチミン市の小売業の総供給量は106万8128㎡(賃貸可能面積/NLA)に留まりました。中心業務地区(CBD)の賃料は前期と変わらず137USD/㎡、非CBDは32・6USD/㎡で、家主が空きスペースにインセンティブを提供しているため、前四半期比で3・8%減少しました。
 
インフォーカスメコン社の調査によると、全国の小売商品・サービス取扱高は前年同期比で28%減少し、消費者信頼感指数は低水準となっています。しかし、前四半期に引き続き、大企業によるM&Aが活発です。
 
第3四半期は、マサン社がデジタル化の分野での拡大を目指してモビキャスト社の70%の株式を取得し、モバイルワールド社は「バックホアサインスーパーマーケットチェーン」の好業績を記録。セントラルグループの「ゴー! スーパーマーケットチェーン」は、今後2年間で積極的に拡張・改装を行う予定です。

市場の活性化は
GDP回復後か

2024年までに様々な地域で20万㎡以上の小売店が開業すると予想されています。短期的には、都市部での新しいショッピングセンターのオープンが遅れているため、ショップハウス形式や、F&B、カフェチェーン、コンビニエンスストア、ヘルス&ビューティー、スポーツウェア、カジュアルウェアなどのカテゴリーが引き続き拡大していくでしょう。
 
リーシングの状況は、まだポジティブとは言えませんが、CBREベトナムのリサーチ&コンサルティングアソシエイトディレクターのタイン・ファム(Thanh Pham)氏は次のように述べています。

「2021年の第3四半期は、パンデミック対策が優先となったため、市場は低迷しました。今後、特に大規模なショッピングセンターは、サポートポリシーやリース条件を調整し、新しいブランドの需要に合わせてカテゴリーミックスを更新する必要があるでしょう。マクロ経済の観点では、GDPが回復し、個人所得が向上して初めて、小売市場は新たな成長サイクルに入ることができるでしょう」

ハン・ダン Hang Dang
CBREベトナムのCEO。不動産の売買・仲介、マーケティング、調査・鑑定など、すべての事業運営を担当している。
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