SK人事部 採用・教育虎の巻 其の百三十七

人の採用にあたっては、事前に想定給与を設定する必要があります。とはいえ、募集の段階で日系相場だけを見て設定すると、思いのほか人を採るのに苦戦することがあります。
 
本記事では、給与の相場を調べる上で意識しておくべきことについて解説します。

日系だけでなく
現地企業もチェック

給与相場が分からないときに、日系企業の相場を知人やエージェントに聞きながら決めた経験のある採用担当の方も多いと思います。
 
しかし現在は、日系の相場を見るだけでは十分ではありません。地場企業を筆頭に、他国の外資企業の給与相場や待遇なども確認することをお勧めします。

「日系=高給」では
なくなった

この背景として、かつて日系企業といえばベトナム人の中で「給料が高い」という印象でした。日系の相場にあたる給与を設定すれば間違いなかったのです。
 
しかし現在は他国の外資系はおろか、ベトナム系企業でも日系同等、またはそれより高い給与を出す会社があります。
 
日系の相場だけにとらわれ、市場全体の相場に見合っていないと、結果的に少ない牌から選ばざるを得ない事態に陥ります。特に技術者系の層には、この傾向が出やすいので要注意です。

平均以上の賞与額は
しっかりアピール

習慣上、テト賞与として給与の1ヶ月分を支給する会社は多く、さらに業績に応じて、上乗せ支給を行う会社もあるでしょう。その場合は、実績(具体的に何ヶ月分か)を求人表に明記すると目を引きやすいです。
 
ベトナム人にとって「1ヶ月分」は普通であり、なければ応募対象外となりやすいのに対し、それ以上の額については特別感があります。多少、給与額が希望に足りていなくても、賞与額が決め手となって応募する人もいます。その取りこぼしをなくすためにも、1ヶ月以上の賞与を支給する会社は、しっかりと実績を記載しておきたいところです。
 
求人は記載の仕方ひとつで、求職者からの問い合わせ数や応募数が変わってきます。相場や求人の記載方法など、気になる点がありましたらぜひご相談ください。

【SESSA VIETNAM CO.,LTD】
稲田 琢磨  Inada Takuma
日系、越系人材会社にて計8年就業。人材紹介、ビザ、労務相談などに定評。

【お問い合わせ】
電:039 578 8621(稲田)
E-mail: inada@sessa-vn.com