京と大阪のような地方での違いは、ベトナムにもあるのでしょうか。あるIT 企業のベトナム人経営者はこう例えました。「南部の営業マンを雇って、北部の人間にマネジメントを任せ、システム全般は中部の人間が担当したら、その会社はうまくいく!」。

必ずしもそうではないでしょうが、似たような話を聞いたことはあります。北部の方は日本人気質。真面目で、集団行動の意識が強く、トップダウン型のマネジメントにハマる傾向が強いからです。歴史的に隣国の脅威がすぐ側にあったので、皆での一致団結に長けているという説も。性格的にも最初は距離を感じるが仲良くなるとずっと関係が続けられる、日本人的な感覚に近いものがあります。

南部の方を一言で表すと「アーティスト気質」。明るく、クリエイティブで、個人行動は好きですが集団行動を好みません。そして、トップダウンを嫌い、フラットやオープンを好み、ボトムアップ的な働き方を希望する。営
業職で魅力的な方には、比較的南部の方が多いと感じています(ただ、北部の方のほうが売上は高い! という矛盾した傾向もあるかと)。

最後の中部の方は、とてもタフで真面目で細かく、地味な仕事もきちんと成し遂げるという、いいとこ尽くしのイメージがあります。日系企業からも唯一地方の指名で、「中部の人材が欲しい!」と言われるのは伊達じゃありません。

ただご存知のように、超無口な関西人もひょうきんな関東人もいます。これらの地方色はあくまで一指針として面接時に役立てたり、地方ネタはベトナム人も好きなので、メンバーとの雑談に使ってみると面白いと思います。

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn