子供の時に、家族と一緒にノルウェーに移民したが、心はいつも故郷に向かっていたゴー・タイン・ヴァンさん。そこで、1999年にヴァンさんは帰国し、2000年に「ミスベトナムフォトジェニック」でミス3位を受賞。これがきっかけで、モデルのキャリアが始まり、2002年に初めてテレビドラマ『デスモス花の香/Hương Dẻ』で主役を務めた。同年に歌手としてもデビューした。

国内舞台を越えて、2004年にヴァンさんはシンガポールのメガメディア社とMTVが共同制作したドラマ『ルージュ/Rouge』に出演したのを皮切りに、海外映画や世界的に有名な映画『Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー』に出演するようになった。

15年以上芸能界で活躍したヴァンさんはアルバムを5枚リリースし、映画・ドラマを含めて、10作以上出演。その中、評判が高い映画『英雄の血統/Dòng máu anh hùng』などで、アクション役が多く、ベトナムのアクション女優と呼ばれるようになった。

 
 

ベトナムのCG技術でファンタジー映画を制作


今年8月公開予定の映画『タム・カム:語られざる物語/Tấm Cám: Chuyện Chưa Kể』で、ヴァンさんはプロデューサー、脚本家、監督、役者の4つの役割を務めている。
「この映画はアクション・ファンタジージャンルです。ベトナム民話の玉手箱は豊富にありますが、残念ながら、それを題材にした映画はまずありません。今回はベトナムの『シンデレラ姫』ともいえる、お馴染みの昔話『Tấm Cám』を元に、原作の盲点をより深く開拓しています」

役者なら演技だけに集中すれば良いが、プロデューサー兼監督として、個々の能力を引き出し、各チームがスムーズに協力できるように、組織全体をまとめるのが一番大きなチャレンジだとヴァンさんは語る。
「この映画を通して、視聴者に新たな体験を提供する同時に、若いプロデューサーに『できないことはない』というメッセージを届けたいです。また、ベトナム人でもこんなに高いCG技術が使えることを誇ってもらいたいと思います」

Ngô Thanh Vân/ゴー・タイン・ヴァン

女優・モデル・歌手・ダンサー・経営者。1979年生まれ。国内映画、ドラマのほか、MTVアジアで放送されたテレビドラマ『ルージュ/Rouge』やアメリカ・中国合作の映画『Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー』などにも出演。芸能事務所「Vietnam Artist Agency」 を運営中。