日、赴任したての20代の方から、「ベトナム人と一緒に働くのは初めてです。年上のメンバーも多く、どうやってマネジメントしたらいいでしょうか?」というストレートな質問を受けました。若いためか、「舐められたら終わりだ。最初が肝心!」と、必要以上に警戒している感じがしました。

しかし、ベトナム人のメンバーも新しい評価者を警戒しているのです。そして、ベトナム人のマネジャーはじっくりと評価者を観察するでしょう。警戒と観察の中で、いきなりいい仕事はできません。

新しく赴任された方の最初の1ヶ月の仕事は、全力でこれらの気持ちを溶かし、ベトナム人スタッフとの信頼関係を作るスタートラインに立つことです。私は最後に彼に、「雑談に雑談を重ねて、ベトナム人マネジャーと一緒に、できる限りランチに行ってください!」と伝えました。

最近は日本でも、年長のメンバーをマネジメントするケースが増えてきているように思います。年配の方より短期間で結果を出したいためか、いきなり仕事だけの関わり方で成果を求める人もいます。一生懸命な気持ちはステキですが、彼らの協力なしにいい仕事をするのは難しいでしょう。

ベトナムでも同じです。ベトナム人マネジャーたちはそんな若い日本人赴任者の頑張りに理解は示しつつも、若干疲れています。焦る気持ちはわかりますが、まずは人としての関わり方で、「週末何してた?」、「家族は元気?」、「美味しいお店知ってる?」などの言葉を積み重ねていき、信頼関係を作っていくのが一番の近道ではないでしょうか?

加藤 将司
Kato Masashi
JACリクルートメントベトナムManaging Director。大学卒業後、大手人材紹介会社を経て、一貫してベトナム人材の紹介や採用&育成に関わり、今年で12年目。2013年6月より現職。
www.jac-recruitment.vn