【ベトナム株】19年1Q1000社超の
営業成績や財務状態は?
SSI証券のベト株探訪記 No.015
純利益は微増も成長率は低下へ
ベトナム国内の3取引所における時価総額の99%を占める1002社の、19年第1四半期の財務諸表が発表されました。
第1四半期の総純利益は約66兆4180兆VNDであり、これは前年同期比1・96%増を記録しています。しかし、前年同期と比較して、成長率が低下しており、その原因は、特に金融や不動産、飲食など全体の中で大きな割合を占める業界の利益が急激に減少したためです。
金融業界は2017~18年は51%の成長率を記録しましたが、18~19年は12%に留まりました。経常収益は前年同期比10%増の67兆8980億VNDであり、受取利息、サービス、外為、金からの収益は増加しましたが、証券、出資およびその他による収益が大幅に減少しました。受取利息が経常収益の大部分(79%)を占め、19年第1四半期の税引後利益は20兆6910億VND、前年同期比+12・1%増でした。
新規供給量が減小不動産は利益減
一方、不動産業界は18年第1四半期に+20・2%の成長してから、19年第1四半期は業界全体の利益が4・5%減少しました。米系不動産サービス企業CBREによると、主な理由は以下のとおりです。
①新規供給量が前年同期比で急激に減少し、4423戸が販売された。この数字は前年同期比54%減、前四半期比46%減にあたる。
②ビングループとビンホームの新規プロジェクトによる収益が減少。
③新規プロジェクトの許可過程がかなり遅い一方で、工業地帯の不動産は米中貿易戦争の影響を受けて直接投資の流入が増えており、前向きな動きを記録し続けている。
なお、VN指数(ベトナム株価指数)は、19年第1四半期に、18年末比+9・9%回復しました。それにもかかわらず、19年第1四半期の流動性は8四半期で最低値を記録し、18年第1四半期のピークと比較して45%低下しています。
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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