IVSのベトナムIT見聞録 No.005

システム導入の成功率は約半数?

前回までに、システム導入にあたり失敗しないためのポイントについて説明しました。

システム導入の成功率(“成功”という定義については、ここでは割愛します)は、調べてみるといろいろな言及がありますが、50%程度のようです。

いくつかのサイトを見ると、ここ15年間で年々上がってきているようですが、それでも1~2件は失敗しているという数値を考えると、我々システムベンダーも真摯に受け止めて対応策を考えなければならないと思います。

弊社は、ベトナム国内で200件以上のシステムの導入実績がありますが、実際にシステムを導入して成果をあげている企業は、どのようなことをしていたのでしょうか。

入念な下準備をし社内で情報を共有

もっとも重要な点は、「ベトナム人担当者に、いかにシステムを使ってもらえるか」という点になります。せっかくシステムを導入しても、使ってもらえないのでは意味がありませんし、かけた金額も水の泡となってしまいます。

これまでのコラムで「現場の声を聴く」、「責任者にある程度の権限を持たせる」ことの必要性を述べましたが、大きな成果を出している企業様はそのことを認識した上で、以下の2点を実践しているように思います。

①責任者の1人として現場のリーダークラスのベトナム人をアサインし、システムの全容を理解してもらい、現場全体への浸透を図る。

②システム化プロジェクトの動向は、社内でベトナム人含め共有し、陰でシステム導入を推進することを避ける。

システムベンダー側も経験豊富なベトナム人エンジニアを体制に組み込む必要があり、ベトナム人同士で何度も打ち合せを重ねて、業務フローの確認ならびに要望の詳細なヒアリングを実施していくことが、有用なシステム導入につながっていくと感じています。

今村 貴行
Imamura Takayuki
2002年設立のインディビジュアルシステムズで在越日系企業向けにシステムを導入するSI事業の営業統括を担当。
IVS Co., Ltd.
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