SSI証券のベト株探訪記 No.025

連休前にピークに達したVN指数

2020年初の株式市場は、2つの異なる期間に分けることができます。最初のフェーズは旧正月休み前の期間で、VN指数が上がり、一時的なピークでは991・46ポイントになりました。第2段階は、休日から2日後でVN指数が急激に低下し、上昇幅を失いました。1月31日のVN指数は936・62ポイントでした。

1月のHOSE(ホーチミン証券取引所)での売買代金は、一日あたり3・86兆ドンを超えましたが、2019年12月と比較して16・2%減少。ただし、2019年同期と比較して、HOSEでの平均売買代金は前年比から31%改善しました。市場全体では、売買代金は一日当たり4・57兆ドンで、2019年1月と比較して23・3%増加しています。

GDP成長率は低下の見込み

2019年第4四半期の各企業の業績は投資家のセンチメントの支点になります。財務諸表を発表した854社のうち、利益を得たのは773社であり、そのうち利益が上昇したのは430社でした。市場全体およびHOSE単独での税引き後の利益は前年同期比それぞれ21・4%と20・66%と増加。その結果、市場全体で2019年の利益は前年比で13・58%増え、HOSEでは2018年と比較して12・1%増加しました。

2つの最大の時価総額セクターは、銀行と不動産で、銀行の純利益は前年同期比29・8%、不動産は前年同期比32・6%増加で大きく成長しました。

連休明け、コロナウイルス(nCoV)の流行によって、VN指数が急激に低下しました。渡航制限や貿易の規制のある状況は、投資家に懸念を生じさせています。ベトナム計画投資省は、コロナウイルス感染拡大によるベトナム経済成長への影響を以下の2つのシナリオでとらえています。

第1四半期にコロナウイルスの流行が制圧されると想定したシナリオ1では、2020年のGDP成長率は+6・27%。第2四半期に制圧される場合は、GDP成長率が+6・09%。いずれも低下する予測です。

グエン・ドゥック・フン・リン Nguyen Duc Hung Linh
個人向け分析・投資コンサル部門マネジャー。シンガポールでMBA、ハノイで学士号を取得。2011年より現職。
Saigon Securities Inc.
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