SSI証券のベト株探訪記 No.028

アジアで最高のパフォーマンスに

毎年5月に株式市場の業績が低迷するという従来の予想とは異なり、今年は「5月に売って去る」という状況が続きました。5月の株式市場は、VNインデックスが月の最終取引セクションで864・47ポイントに上昇し、前月比12・4%増。年初と比べて、VNインデックスは10%マイナスに。ブルームバーグによれば、2020年3月24日の底値から31%の回復で、ベトナムの株式市場はアジアの中で最高のパフォーマンスを実現。ベトナム政府による新型コロナ流行の封じ込めに向けた取り組みは、国内経済の再開を支え、投資家を安心させました。

新規開設の証券口座が急増

流動性は3つの取引所で大幅に急騰し、5月には2億2400万USDに達しました。(前月比27・6%増、前年比62・6%増)。小売業からのキャシュフローは市場を支配し続けています。この急増は他の形態での投資(ビジネス、不動産、金、貯蓄など)から株式市場に流れ込んだものと考えられます。2020年2月から4月の間に新しく開設された証券口座は、8万7000に達し、2019年全体の新規口座のほぼ半分の数に。その多くは、初めての投資家です。2020年4月の時点でベトナムには247万の株式取引口座があり、これは総人口の2・5%にすぎません。証券会社22社のうち20社は手数料の引き下げがサポート策として展開され、証券会社の優遇マージンパッケージもまた投資家を惹きつけるきっかけとなりました。
 
2月から4月にかけて市場から大幅に撤退した後、5月には外国人投資家の売り圧力は和らぎ、純流出は6900万USD。VFMVNダイヤモンドとSSIAM VNFINリードといった2つの新しいETF(上場投資信託)は、順調に推移しました。2020年3月24日の最低値から31%の強い反発を考えると、VCB、VNM、VHM、VRE、FPT、PLX、GASなど、多くの大型株がコロナ流行前のレベルに回復したことがわかりますが、市場の回復は投資家に牽引され、不確実性が残っていると考えられます。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
ウェブサイト:www.ssi.com.vn