目指すは、唯一無二の存在
留まることなく進化し続ける

2019年1月に開業し、今年で1周年を迎えた「ホテルデュパルクハノイ」。2020年2月にはホテル内の和食店「麻布」をリニューアルオープンした。1年を振り返り、これまでの取り組みや今後の目標などを、ホテル総支配人の秋野氏に聞いた。

満足度の高さが印象を変えた
躍進する日系5つ星ホテル

――ハノイでホテルを開業するに至った経緯を教えてください

秋野 当ホテルのオーナーでもある建設会社「北野建設」から旧ホテルとの契約が終了するという話を聞いた際、弊社の日本本社プランドゥシーがぜひ運営をやらせていただきたいと伝えたところから話が進んでいきました。海外への展開、進出を考える際は、従業員がそこで働きたいと思えるか、従業員がそこで楽しく過ごせる場所か、という部分も判断材料にします。ベトナムは魅力に感じていた国の1つだったので、ぜひ運営を任せてほしいと回答し、ハノイへの進出が決まりました。

――ホテル名に込められた思いとは?

秋野 実は、プランドゥシーが運営するホテルやレストランは、店舗ごとで異なる名前とコンセプトを持っています。同じブランド名で統一しない理由は、その土地、その建物それぞれに魅力があり、他では作れない唯一無二の存在であると考えているからです。なのでハノイにしかない良さと、ホテルの魅力を最大限に生かせる名前にしたく、ベトナムはフランス植民地時代の町並みが残っていること、当ホテルの近くにはハノイが誇る大きなトンニャット(統一)公園があることなどから、歴史や場所を踏まえて、フランス語で「ホテルデュパルクハノイ(ハノイの公園にあるホテル)」と名付けました。内装も憩いの場となる公園をイメージし、座っているだけでも居心地が良いと感じるような、一貫性を持ったデザインにこだわりました。

――2020年1月で開業1周年を迎えました

当ホテルは、ベトナムでは希少な日系の5つ星ホテル。全従業員が最高の笑顔をもって、ゲストを迎えてくれる

秋野 開業当初は、日系らしくない名称だったことなどから、どのような企業が運営しているのかよく分からないと、心配や不安に思われた方が多かったようです。それが次第に、当ホテルを訪れたお客様からは安心できる、満足度が高い、このホテルがあって良かったという声を、日本の方に限らずベトナムや外国の方からもいただく機会が増えていったのはうれしい限りです。

この1年間、お客様に対するサービスはもちろんですが、社内の運営体制の確立にも注力してきました。旧ホテルから運営権だけが移ったのではなく、現地採用だった約300人の従業員も一緒に引き継いだので、彼らがプランドゥシーという会社を信頼してくれる、応援してくれるような運営陣であることが重要だと考えました。従業員はホテルを一緒に盛り上げる仲間であり、家族です。だから私たちがコントロールするという姿勢ではなく、信頼して対等に接するよう努めています。

日本では総支配人の立場になると、現場の従業員と直接話す機会が少なくなるのですが、お客様と接するのは彼らです。彼らがどのような表情で、どういった雰囲気でサービスを提供しているのか、という部分を感じ取るためにも、細かいところから、例えば毎朝の挨拶など、常日頃従業員とコミュニケーションをとることを忘れません。旧ホテル時代から現在まで、約8割の従業員が残ってくれているので、時間はかかりましたが、私たちの思いが少しでも伝わったのかなと感じています。

安心安全、期待以上を提供
ハノイの価値を高めたい

リニューアルオープンした和食店「麻布」の店内。お客のニーズに合わせてメニューも進化させていく予定だ

――現在の課題は何ですか?

秋野 弊社のミッションとして、「日本のおもてなしを世界の人々へ」を掲げています。ここはベトナムですが、ベトナム人が中心となり、ベトナムの良さを生かしながら日本のおもてなしを伝えていきたいのですが、正直まだ始まったばかりの状態です。現在は日本人が9人在籍しているので、今後は彼らやマネジャー陣と協力しながら研修などを通して、メンバー全員に魅力を理解してもらい、より一層充実したサービスを提供できるよう励みたいと思います。

――今後の目標を教えてください

秋野 私たちは常に新しく、進化し続けることが大切だと考えています。旅行でいらっしゃる方はもちろん、ハノイに住んでいる方も含めて喜んでもらえること、旅行が、生活が、より楽しいと思えることを当ホテルから発信できればと思っています。その一環として、最近ではホテル内にある和食店「麻布」を改装しました。2019年末にはワインや寿司、今年に入ってからは正月のイベントも開催しました。弊社ができること、弊社にしかできないこと、それらをしっかりと見極めつつ、今後もこういった刷新やイベントを企画していきます。

数年後には、ホテルデュパルクハノイがあるからハノイの価値が高まっていると言われるようになりたいですね。旅行者や在住者だけでなく、弊社のパートナー、従業員とその家族も含めて、当ホテルに関わったすべての皆様に、当ホテルがあって良かったと誇りに思ってもらえるよう、価値を積み重ねていきたいです。

COMPANY INFO
東京都千代田区に本社を構え、日本国内を中心に、アメリカやインドネシアにもホテルやレストランなどを展開する「プランドゥシー(Plan Do See)」が、2019年1月に開業。ホテル内に和食店「麻布」や多国籍料理店「ボヤージュ」、ラウンジ&バー「ルサロン」などを擁する。
総支配人 秋野 真邦
MASAKUNI AKINO
静岡県静岡市清水区(旧清水市)出身。大学卒業後の2004年にプランドゥシー入社。レストラン事業部や人事部、店舗の総支配人、海外店舗の立ち上げなどの経験を経て、2018年12月に来越。ホテルデュパルクハノイの総支配人に就任し、現在に至る。

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