中性的な魅力を持つキム

打ち解けたのは
社員旅行

テレビ制作会社MCVの2019年の社員旅行がきっかけで仲良くなったキムは、いつも明るくてムードメイカーです。
 
社内では、バスケットボール選手のドキュメンタリー番組「フィールドのヒーロー/Nguoi Hung San Dau」の制作やMCV所属のアイドルグループ「P336」のミュージックビデオ制作、短編映画の撮影にも関わっています。
 
自由な社風のMCVには、個性的かつ中性的な社員が多く、キムもそのひとり。出会った時は金髪、そこから紫やピンク、クルンクルンのパーマまで、髪型だけでもかなり楽しませてくれます。
 
そんな彼と私が親しくなったのは、2年前のムイネー(Mui Ne)への社員旅行。当時、約150名の社員の中で日本人はたった2人でした。日本語を話さないベトナム人スタッフと会話する機会は少ない中、社員旅行の時に同じチームに彼と仲良しの子がいたのです。
 
私は拙いベトナム語と英語を駆使して、彼らと夜通しお酒を飲みながらトランプをしたり、ムイネーの泥風呂に入ったりしたことで、かなり打ち解けられました。

同僚との距離が縮まった社員旅行

不思議ちゃん発言も
魅力のひとつ

ある日、私が昼寝の時の枕代わりに使っていたワニのぬいぐるみを指して、「これナミの〜? かわいい! 私にちょうだい」と言ってきました。そのキュートさに、なんの躊躇もなくワニをプレゼント。長らくそのワニは、ずっとキムの席に置いてありました。
 
ふと、最近見かけないなと思い、「キム、ワニはどこへ行ったの?」と聞いたところ、「彼は逃げた。きっとお腹が空いてどこかへ行ったんだろう」となんともファンタジーな返事が返ってきました。その返しも不思議ちゃんで、癒されました。
 
去年は会社のスタジオが移転したこともあり、社員旅行は中止となってしまいました。
 
イベントがあるごとに、女装して明るい笑顔で華やかな空気を作ってくれるキム。次のステージを密かに楽しみにしているのは、きっと私だけじゃないはずです。

三上 ナミ Nami Mikami

東京生まれの歌謡歌手。ベトナムのテレビ制作会社でVNメディアを勉強中。YouTubeで「三上ナミのベトナム乱歩」を配信しています。
https://note.com/nammymuseum
Instagram: @NammyMikami