SSI証券のベト株探訪記 No.041

VN30は
年初比37.7%増

ホーチミン市証券取引所(HOSE)の代表的な株価指数VNインデックスは前月比7.2%増の大幅な上昇を記録し、年初来20.3%増1328.1ポイントで取引を終え、過去最高を記録した。
 
新型コロナウイルス感染症の第4波は、ハノイやホーチミン市などの大都市やベトナム北部の生産拠点で大流行したが、市場を動揺させなかったようである。
 
5月のVN30インデックス(ホーチミン市証券取引所の主要30銘柄)は、前月比12.4%増、年初来37.7%の上昇となり、VNインデックス、VNMidcap(年初来25.7%増)、小型株VNSmallcap(同23.1%増)を上回った。「5月に売り逃げろ」という株取引にまつわる米国の古い格言は当てはまらず、年初5ヶ月でも同地域内の他市場を上回った。
 
2021年の堅調な利益と増資が見込まれるため、すべての銀行株と証券株が上昇し、金融セクター(前月比18.8%上昇)が株価指数をリード。材料、IT、エネルギーがそれに続いた。
 
強気のセンチメントが市場を支配し、個人投資家は株式配当の見通しに興奮したため、鉄鋼会社ホアファットグループ(HPG)、FPT情報通信(FPT)、軍隊銀行(MBB)、ヴィエティンバンク(CTG)、バンベト証券(VCI)に更なる推進力をもたらした。
 
流動性は初めて10億USDを達成。3つの証券取引所での1日平均売買代金は前月比17.8%増の10億5000万USDとなり、前年同月比4.7倍にのぼった。市場の流動性は主に銀行セクターに引き付けられた。

外国人投資家は
売り越しが加速

4月の減速の後、外国人投資家はベトナム株式市場の上昇トレンドを察し、5月中に4億9700万USDを売却。とくにHPG(1億7000万USD)、CTG(5700万USD)、VPバンク(VPB、5400万USD)、ビングループ(VIC、5100万USD)、ビナミルク(VNM、3300万USD)の売却に集中した。年初来、外国人投資家の売り越しは11億USDを超えた。

ファン・リュ・フォン Pham Luu Hung
分析及び投資コンサルセンターのマネジャー。シドニー大学で修士、ハノイ貿易大学で学士号を取得。2007年より現職。
Saigon Securities Inc.
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