「査定」から「育成」のアセスメントへ

こんにちは。ビジネスコンサルタントの荒澤です。

今月のテーマは、ベトナム人幹部候補の早期発掘と育成の「人材アセスメント」です。「人材アセスメント」と聞くと、一般的には昇格・昇進のための「査定」のイメージが強いですが、最近は対象者に結果をフィードバックし「育成」につなげる方法も増えています。ベトナムでは、日本以上にアセスメントの相談を受けるケースが多く、具体的には次のような内容です。

・将来の幹部に求められる能力要件をどのように定義すればよいか。現在設定している能力要件だけで問題がないか

・査定だけでなく、育成の要素も入れてアセスメントを実施したいが、受講者の行動変容につなげるには、どのようなプログラムがよいのか

・ベトナム人幹部や幹部候補者のマネジメント能力が他社と比べ、どの程度かわからない

組織の人員構成や組織を取り巻く外部環境の変化により、アセスメントの必要性や果たす役割・期待も変わってきているのだと思います。

大前提は将来の幹部に求められる人材像定義

ベトナム人幹部候補の早期発掘・育成をする際の大前提は、将来の幹部に求められる人材像を定義することです。この定義に沿って人材をアセスメントしていく必要があります。

GMクラス、マネジャークラスに必要な能力をそれぞれ設定して、それを満たしている人材を発掘、育成していくことが重要です。

ある会社においては、GMクラスに必須の能力として、①課題形成力②計画決定面③課題遂行面④コミュニケーション力⑤集団運営力⑥役割責任力の6つを設定しています。

この求められる能力に沿って、評価・査定・研修会などを行っているのです。ベトナムにおいては、日本以上にこういった目指すべき姿を明確にすることが大切です。ベトナム人が能力開発の方向性を理解できるだけでなく、日本人がOJTをする際の手助けになります。是非、求められる人材を定義し、ベトナム人幹部候補の早期発掘・育成をしてみてください。

荒澤 文寛 
Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
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