組織をリードする幹部を育成するには

今回は、日系企業のベトナムにおいての組織運営についてです。

米中貿易摩擦や経済成長のスピードなど、国内外で大きな変化が生じている中、現地法人のミッションや運営の在り方も、状況を踏まえて見直すことが期待されています。このような状況下において、今まさに「自律化」というテーマが改めて注目されています。つまり、ベトナム人が自ら外部環境の変化に気づき、考え、行動し、組織をリードすることが重要であるということです。

当初、弊社は「ベトナム人幹部を育成したい」という日系企業に対し、ベトナム人幹部候補者にプログラムを提供していました。しかし、ベトナム人幹部が考え、行動しても、組織のルールや文化が障害となり、ベトナム人も「やりたくてもできない」「どうせやってもだめだろう」といった思いを抱える場面が見受けられました。

「自律化」や「ベトナム人幹部育成」をしていくには、どのような幹部を育成し、どのように現地化したいのか、組織の目標や課題も踏まえて、日本人とベトナム人が一緒に考えることが重要です。では、どのように組織を変革していったらよいのでしょうか。

問題の本質を見つめ認識すること

まず、ベトナム人と日本人の幹部全員で「何が組織の問題か」を話し合うことを勧めています。このプロセスを経て、日本人とベトナム人で捉え方の違いを「見える化」をしてもらうことがスタートになります。

現状の問題点を洗い出し、すべての幹部が問題点を認識し、組織のあるべき姿を設定、それに向けて変革していく、というサイクルを回していくことで、強い組織が作られるだけでなく、「自律化」が促進されていきます。

最後に、「自律化」とは、非常に曖昧な言葉です。ここで、「自律化」を目指している皆様へのメッセージです。そもそも、貴社のとっての「自律化」とは? また、幹部間で認識が共有されていますか?

荒澤 文寛 Arasawa Fumihiro
株式会社ビジネスコンサルタント入社後、各国の責任者を経て、
ベトナム法人を立ち上げ。現ジェネラルダイレクター。
Business Consultants Vietnam Co., Ltd.
電:024-6269-6162
E-mail:vietnam@bcon.co.jp